モランシステム~序章~
体調不良で遅れて申し訳無い。多分もう復活しました!
「異常無しぃ…ってところかぁ?」
婆さんとイタバッサ、それにキリキ。
三人で店を回しているが、特に問題は起きていない。
客足はそこそこ。無茶苦茶流行ってるわけでもないが閑古鳥が鳴く暇もない。
そこそこの客の入りといったところだ。にしても…………
・巨大な干し肉の塊
・この辺では見かけない民芸品
・この辺で見かける野菜
・乾燥させた草
・草刈り用の鎌
・瓶に入ったオレンジ色の液体
・豆菓子
・小難しそうな本
・とぐろを巻いたパン
・やたらデカい石
・見たことのない獣の毛皮
・同じく見たことのない牙?角?
・紫と緑が交じった妙な模様の布
店にあるものをざっと見て思ったのは統一性が無いということだ。
殺し屋に必要なもの、それはある程度の常識と知識だ。因みにキリキにはそれが欠如している。
商品の大半が今まで見たことのない代物ばかり。一体ここは何を売っているのかと首を傾げる。
半日見ていて、来た客の一部が俺の知らない未知の商品に飛び付いて店の人間を呼びつけ、キリキは首をかしげてイタバッサを呼んで、そうしてイタバッサが最終的に説明をしたところ、感激した様子で両手を取って握手。
三人来た。そして、三人とも別の品を手に取って買い、感動した様子で去っていった。
なんだありゃ?
「おぉ、慣れたか?」
後ろで扉が開く音がして副会長の気怠そうな声が聞こえた。
「あぁ、慣れましたよぉ。
でもぉ、良いんですかぁ?俺だけこんなところでふんぞり返っていてぇ。」
俺は今、店頭にはいない。
店の裏側、とある部屋に座っている。
今日は朝キリキ達と顔を会わせた後、誰とも口を利いてない。顔も見ていない。
店にも顔を出していない。ずっとここに座っていた。
だからと言って店の様子を見ていなかったワケでもない。
真っ暗な部屋、目の前に広がっているのは四角く切り取られた店の風景が幾つも幾つも、音を鳴らし、風景が絶えず動いていた。
「ふんぞり返ってただけじゃねぇだろ?
特に報告が無いってことは客以外が来たってことは無さそうだが……」
「えーぇ、そんな連中は来ていませんでしたよぉ。
ただ、後々招かれざる客として来たがってそうな連中は見ましたが…ねぇ。」
俺、ニタリがモラン商会で主にやる仕事はキリキとは違っていた。
未だ見ぬ、俺達の本質を見抜いていた会長さんが考案した防犯装置。それの試験装置の運用を実際にやって、モラン商会の防犯やら店舗の俯瞰。そして装置の使用感やら改良点を上げるのが俺の仕事だ。
どうやら、会長さんはコレを売り出す気でいるらしい。
「おー、じゃ、後でその辺レンかお前さん達新人に頼む事にするか。
そん時ゃ頼むぜ。」
そう言って副会長は部屋を出て行った。
逃がし屋が防犯の要になるなんてな。
モランシステム:視覚・聴覚を魔法で送受信する技術を根幹にして組み上げられた防犯システム。
物理的に離れた場所の監視も出来る為、現地と遠方の両者での多重監視が可能となるこのシステムは今や数多くの施設や店舗で運用されている。
名前の由来はこれを開発した商会より取られている。




