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未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
信頼と信用のモラン商会をご紹介致します。
510/1849

反逆の商人2

 ………モラン商会の情報はこちらにも入ってきている。

 主に外で活躍している者は彼を含めて9人。事実上トップの副会長は常時商会に居るから実働は実質8人。他にも数名居るようだが顔を出しておらず、なんとか確認出来るのは10名。そこまでは分かった。が、商会のメンバーの詳細情報を探ろうとしても情報がほぼ無く、商会のトップたる会長に至っては商人の情報網を駆使したにもかかわらず名前も顔も解らず得体が知れないときている。

 謎だらけで得体の知れない人間達が作った新興商会。本来は信頼される要素は絶無。だが、実績は短い間に積み重なり、実力は人の目を惹き、厚い信頼に変わっている。それは耳を傾けずとも自身の脅威として入ってくる。

 そして、入ってくる情報から予想する事が出来る。ここの商会には驚くべき読み(・・)の能力を持った、ズバ抜けた商鬼が居る。

 複数の物理的に離れた地域の需要を見抜き、一早くそこに供給。ライバルの商人が現れる前に市場を独占。

 シンプル。子どもでも分かる道理。けれどそれを実行して、短期間とはいえ続ける事の困難さ、出来る事の恐ろしさを私はよく知っている。

 しかもさっき見た彼の魔道具。アレは私の知る限りに類似品が無い。おそらくは独自開発または独自開発出来る人間を抱え込んでいる。

 技術開発面においても将来性がある。

 魔石を馬車一台。幹部とはいえ新興商会がそれを即金で買えるか……………


 考えろ、相手の需要を。

 考えろ、自分の供給を。

 価値を見出せ、価値を創り出せ、見える光景はお互い最高の価値ある物を手にする事。最良の結果を弾き出せ。


 頭の中にある天秤が揺れる。

 天秤の皿の片方には自分がこれから売る物を乗せる。もう片方の皿には求める対価を乗せる。

 天秤が左右に揺れ動いて上の物が揺れ動く。ダメだ……対価の皿が傾いている。

 もう一つ。最早死んだも同然の我が身。乾坤一擲しないでどうする?今の私は商人ではない。

 堅実でなくていい。今までの商人としての私は今この瞬間だけ捨てろ。

 売る方の皿にもう一つ、乗せる。


 よし、天秤が止まった。



 「先ずはサイクズル商会の内部事情及び情報に詳しい『元サイクズル商会古参商頭』。私の証言をモラン商会に売ります。貴方達が調査、あの(・・)商会を追い詰める上で強い切り札に成る筈です。」

 「確かに。新人商人達が暴露するよりもイタバッサさんの証言の方が圧倒的に強いッスね。

 何より内部情報を握ってるのは情報戦で圧倒的アドバンテージッス。

 で、先ずって事は次、有るッスね?」

 「キャリアと人脈持ちの商人としての『私』、バイスリー=イタバッサを売ります。

 サイクズル商会の情報は得ている筈、ならば私の価値は言わずとも分かりますよね?」

 ニヤリと目の前の男は笑った。

 「そりゃーもう。あの商会調べる時に一番苦労したのが『あそこの会長さん』って誰の事言ってるのかって所ッシたから。

 イタバッサさんの事をあそこの会長だと思ってる人、半分くらい居たッスからね。」

 有難う、顧客の皆さん。しかし違います。私は会長ではないんです。

 「で、その対価は何ッスか?

 腕の良い商人さんッスから、結構高い値段覚悟するッスよー。」

 「では、対価を……………」


 それを聞いたモラン商会幹部のレンは、笑った。

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