Reborn
物言いは終了だ。
「貴方の感謝、しかと受け取りました。以上で、よろしいですか?」
「……あぁ、いや……まだ、まだあります。」
慌てて『以上それまで解散』になりそうだったところを止める。
「感謝は以上ですが、あの……未だ言いたいことがあります。」
「なんでしょうか?」
賞賛の時のまま、表情は特別動いていない。
喜怒哀楽が変わっていないとか、そういう意味ではない。
表情が特別動いていないのだ。
クソガキはそれを見て臆していた。
それはそうだ。
クソガキは最初の茶会で一度やらかして、それが原因でシェリー君から協力を拒否されていた。
最初の茶会からそもそも仕組まれていたが、クソガキの浅慮もまた事実。言い訳の余地は無い。
コックに化けて教えてはいたものの、こうして面と向かってシェリー=モリアーティーとモンテル=ゴードンが接触するのは久々ということになる。
「最初の茶会の時、カテナの事を考えていなかった、です。」
「それは、言わされていますか?私に。」
「違ぅ…います!
もし、あの時少しでも冷静になっていたら、こんなことにはならなかったし、カテナだって泣かせずに済んだかも……しれません。
カテナを見ていなかったし、怒って突っ走りました。」
「そうですか。」
「注意されて、協力しないと言われて、反省して当然だと思いました。
あの時はありがとうございます。そして、先生から教わったことで馬鹿なことをしてしまい、申し訳ありませんでした。」
「そうですか……」
「けれど、決闘茶会を経て、先生が言っていた事が本当だと、私が間違っていた事に気が付きました。」
「…………」
虫の良い発言であることは、重々承知していますが、どうか、明日からまた私の家庭教師として、教えて頂くことは出来ないですか?」
再度、頭を下げた。
「モリアーティー先生、私もご迷惑をお掛けした身ではありますが、モンテル様が私の事を思って怒り、庇った末にこうなってしまいました。
罰するなら私を、幾ら厳しくても構いません。何でもします。
だから、どうか、どうかモンテル様には温情を…どうか許して下さいませんか?」
オドメイドも続く様にして頭を下げる。
シェリー=モリアーティーの答えは下記の様なものだった。
「結論を先に申し上げます。
明日から家庭教師をやって欲しいということですが、それは出来かねます。」
頭を下げた二人から溜息と漏れ出た苦悶の音が聞こえた。
「何故なら、貴方は決闘茶会を終えたばかり。
ある程度ケガの治療はしてもらったでしょう。しかし完全ではありません。
それに、無理した場面はしっかり見ていました。疲労は蓄積するもので、しかしさせてはいけないものです。
最低でも二日休んで下さい。
家庭教師を再開するのは、それからです。」
再開だからResumeですが、家庭教師なのでRebornです。
リアクションとブクマ、ありがとうございます。連日増えて増えて、嬉しい限りです。




