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歓迎の理由


 誘拐のダブルブッキング。 全くないとは言わないが、滅多に起こるものではない。

 特に、片方が狂言誘拐で、かつ狂言誘拐の協力者が元軍属の場合にそれが偶然起こるというのは不自然極まりない。

 「狙われていましたね。」

 「わざわざプロを襲ってでもやるとは、誘拐一つに随分とお熱なことだ。」

 前日の内に狂言誘拐の協力者を抗争に見せかけて無力化。

 クソガキを本当に誘拐し、レストランの従業員の通勤途中を狙ってメッセージを渡す。

 そして用意した戦力で叩く。

 「随分と不自然だ。」

 「そうですね。」

 少なくともこの作戦は少なくとも昨夜の段階から準備を進めなくてはならないものだ。

 クソガキの協力者を割り出し、潰す準備を整える必要がある。

 レストランの従業員の住所や出勤時間を割り出して手紙を渡せるようにする必要がある。

 十分な戦力を用意する必要がある。

 「クソガキから受け取った手紙を見たのは今日が初めて。当初用意した戦力の数が過剰な事は理解出来る。」

 「書き換えることも出来た筈です。それをしなかった。」

 「迎え撃つ場所はある程度限られていた、大人数を想定していないあの狭所を見るに、騙されていない。

 なら、手紙を見た後でもあの歓迎人数だった訳だ。

 単なる少女一人を相手にわざわざ二十人で出迎えるかね?余程の力が働かなければ小娘一人と侮って最初の段階で脱落者だらけだ。

 つまり、余程の力が働いた訳だ。シェリー=モリアーティーの力を侮っていない力が。」

 そもそも、少女一人をあんな場所に呼び出して何をするつもりだった?人身売買?

 貴族の家のガキであることを知らずとも着ているものでそれなりに金を持っている家の子どもであることは予想できた。金を要求しないままシェリー君だけを呼んでも誘拐の意味が無い。

 この絡まった糸の最奥にあるものは……

 「狙われたのは、私。」

 「あるいは君に付随する何か、だね。それを狙っている愚か者がいる。」

 烏合の衆の破落戸(ゴロツキ)共が思い付きでやったにしてはこの誘拐は手際が良かった。最奥のドコゾノ=ドナタ様は、間抜けな連中を焚き付けて策を授けたという訳だ。

 さぁ、面倒なことに、今回の相手はシェリー君を知っている。見たことがあるとか無いとか、そういうレベルではなく知っている。

 「あの方は、どなたなのでしょう?」

 あの場にいた全員が爆破された後でのこのこ現れた。ちらりと見えはしたが……

 「少なくとも今まで見た連中の中に同一の体格と動きの輩はいなかった。

 少なくとも我々は直接接触していない。なら、実際に接触した経験を聞く方が良い。」

 「そうですね……」

 傍から見れば考え込んでいる様に見えていたシェリー君が口を開く。

 「お二人が、追撃を阻止して下さった方について、詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか?」



PV爆伸び、ありがとうございます。

何が起きたのでしょう?

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