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勤勉で直向きに習うは悪意と殺戮、犯罪の術

※前話に続き未だ要注意です※


 多対一なら適当な広場に誘い込んで四方八方から叩く。数の理を活かした一番手っ取り早い方法だ。

 そして、一対多なら、狭い通路に引き摺り込んで多勢の利点を殺して一対一の連続に持ち込むのが楽な方法だ。


 上は地の利を活かした魔法や飛び道具主体の攻撃。

 前後は同士討ちを避けた凶器による直接的な攻撃。

 「であれば最初に上の方々にご退場願いましょう。」

 とあるものを上へと放り投げる。少女の膂力では下から上にいる人間の頭を潰すような投擲は難しい。

 『爆ぜる恐怖(Bang)

 投擲した石に刻まれた術式が作動し、爆音と閃光が目の前で弾け、悲鳴が上がる。

 先程コインを吹き飛ばして脅した時と同じ方法。身体強化で銃弾や刃物は弾ける。が、膂力や強度を上げたところで光や音は防げない。

 『爆ぜる恐怖(Bang)

 上空の爆破に気を取られている余裕はあるのか?

 爆発はお前の前で起こっている、そして次はお前自身が爆発になるんだぞ?

 一人一人、頭を爆破するフリをしていく。

 フリとはいえ、感電により実際に気絶し、痙攣している者もいる。

 首より上は蒸気で見えなくなって状況が不明。

 そして大層ご立腹でおまけに容赦無く一人一人丁寧に爆破していくシェリー君。

 恐怖を抱かずに進めるか?次は自分の頭が爆破される未来を想像しながら。

 冷静に対応して攻撃できるか?穏やかな表情と揺らがぬ姿勢で爆破する少女相手に。

 勝てるのか?烏合の衆ごときが?粗末な武器を持った20人と人質だけで、シェリー君の相手になるとでも?

 その答えは爆発音と悲鳴が物語っていた。




 暴力に慣れ切っている。

 そうでない奴はいない。

 ここでは生きていけない。

 楽しむにしろ、厭々(いやいや)にしろ、暴力を振るうことに慣れ切っている奴だけがこの日陰で生きることが出来る。それが許される。

 慣れている。

 喧嘩自慢を集めた。強いと聞いていたから数を揃えた。

 それを相手に一回も当たらずに、一方的に爆破していく。

 投げナイフが後ろから飛んでくる。キャッチして投げ返した。

 上段から振り下ろされる錆びた剣。払い除けて鳩尾に一発、そして頭を爆破。

 魔法で応戦しようとして構えた奴。後手に先手を取られて眉間に弾が当たったのが見えた。

 被弾無し。

 一人一撃。

 最小限の動きで、最短で、最速で、暴力が振るわれている。

 綺麗とさえ思う。

 そして、だから、恐怖を抱いた。

 暴力の匂いが全くしない、血の匂いがしない、悪の匂いが、死の匂いがしない。

 所詮はお行儀の良いお嬢様だと思っていた。

 暴力と血と悪と死の塊がいる。

 匂いはしないのに、手慣れている。使い(こな)している。

 異様だった。

 異常だった。

 邪悪なのに邪悪じゃない。

 その矛盾が、怖くなった。


 肉を潰されて、潰してきた。

 骨を砕かれて、砕いてきた。

 すべて奪われ、奪ってきた。

 恐怖した。

 教えてるのは悪意の権化。

 教わったのは善意の権化。

 結果生み出されたのがこの矛盾。

 この二人が合わさったから善悪両方に突っ切った反罪術式が生まれてしまったのですよね……。



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