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如雨露が重かったので


 《午後の実戦終了後》


 全然勝てない!

 昔見せてもらった叔父様の魔法より遅い、カッコ悪い、弱くて卑怯だ。

 だけど強い。勝てない。


 前に読んだ小説に出てきたヤツに似てる。

 弱くて卑怯で、自分を弱いと言っていて、実際に主人公達の仲間の魔法使いより弱い。

 だけど、物語の終盤に悪の組織で一番強い幹部を二人、同時に相手して倒した魔法使い。

 ボクが嫌いなアイツに似ている。

 勝てない。

 どうすれば勝てる?

 あいつは絶対に勝てない強い奴じゃなかった。むしろ小説の中で何度も何度も負けてボコボコにされて、弱くて卑怯でそんなにカッコ良くないのに、それなのに『不撓のモンズテラ』と『不可阻のハスタ』が立ち塞がった時に独り立ち向かって、その上倒したからそこそこ人気キャラになってる。

 アイツなら、ボクが勝てないわけじゃない。

 どうやったら勝てる?




 花を見に来た。

 相変わらず手入れは行き届いている。もしかしたらいつもより綺麗になっているかもしれない。

 その中にいた。

 「モンテル様、どうされたのですか?」

 花に水やりをしている最中だった。

 「……花を見に来た。綺麗になってる。」

 「ありがとうございます!モリアーティー先生の教えて下さった魔法のお陰でお手入れが今まで以上に出来るようになりました。

 頂いた花の種はまだまだたくさんあるので、これから徐々に花畑を広げていこうと思っています。」

 花が綺麗だったけど、眩しかった。

 「何か新しい魔法でも習ったの?」

 カテナもボクも教わった魔法の授業は同じ。花の手入れに使えそうな魔法は見ていない。

 『地形操作はガーデニングの役に立つ』とかなんとか言ってたけど、そうは見えなかった。

 こっそりカテナにだけ教えていたのかよ……カテナに教えたのは良いけど、ボクに教えなかったのは……。

 「いいえ、モンテル様が教わったこと以上のことを私は聞いていません。

 ただ、折角魔法を教わったので、使ってみたいと思って、『地形操作』をここで試してみたのです。」

 『地形操作』。あいつが使うそれは極悪だ。

 土を固めた槍で串刺しにしようとしたり、泥で足を滑らされたり、落とし穴に落とされたり、壁にぶつけられたり……本当に全部同じ魔法かよ……三つも四つも五つも使ってるとか、ズルしてるとか言われた方がずっとマシだ。

 「この前泥を動かしていたところを見て、もしかしたら水を撒くときに使えるのでは……と思ったのです。

 そうしたところ……」

 『地形操作』

 実践して見せてくれるみたいだ。

 水たっぷりの泥に触れる。土というより水に近い。けれどそれをカテナは『土』と認識している。だから『地形操作』で操れる。

 ドロドロの塊が花畑の中を進んでいく。ドロドロの塊がどんどん乾いていく。代わりに花の根本の土の色が濃くなってる。

 「今までは如雨露で水をやっていたのですが、重いので何度も何度も水を汲まないといけなかったのですが、こうすれば、一度で終わります。良い魔法を教わりました。」

 カテナがニコニコしていた。

 喜び辛かったけど、釣られてニコニコなった。


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