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※異世界基準でも美人です

 向かうべき場所にやっとたどり着いた。

 招かれざる客の対応。更に先程の下手な偽者相手のなんちゃってポリグラフ検査。

 面倒事が邪魔をした。

 だが、招かれざる客が入り込むと面倒なことになる。先程の偽者との遭遇は時間の問題だった。

 であれば妙なものを仕込まれる前に潰しておく方が適解。

 であれば先制でこちらが主導権を握る方が合理的。

 必要なことだったお陰で無視もできなかった。

 「やれやれ、睡眠不足は健康や勉学だけでなく美容にとっても大敵だというのに……。」

 「私は、美容は別に……」

 「美容はそのまま健康に繋がるので意識しておくように、磨いておくように。」

 「わかりました……磨いても、無意味ですが。」

 自信の喪失というのは非合理的だ。

 時にそれは輝く宝石を石ころだと考え捨てる悲劇に繋がりかねないのだから。




 俺様は速い。

 他の生き物が俺より先に走れた試しがない。いたとしても、すぐに追い抜かした。


 俺様はデカい。

 寝転んでいても、俺を見下ろせるやつはいない。他の奴らはあまりに小さい。


 俺様は堅い。

 自分以外の奴らの足だろうがブンブンいう五月蝿いやつだろうが足の少ないやつが持ってるキラキラする『刃物』というやつだろうが石だろうが傷付かない。比べる意味もない。


 俺様は強い。

 生まれてから何度も戦った。噛んで蹴って踏んでぶつかって叩いて持ち上げてきたが、やられたことはない。そして俺様は死んでいない。


 俺様は賢い。

 美味しいものしか食べない。妙な匂いがする二本足についていかない。無駄に暴れない。そして生き残っているやつは賢い。


 俺様は、故に王だ。

 俺様は、身勝手が許される。

 俺様は、俺様が許さないものを蹴散らす。




 換気はされている。だというのに血の匂いが熱気となって全身を包んだ。

 「草食動物というより、血肉に飢えた肉食獣だな。」

 流れた血が拘束具を赤黒く染めている。

 今も暴れて引き千切ろうとしているが、人の腕より太い鎖が全身に巻き付き、それらは頑強な建物の柱と、地面に打ち付けられた杭に繋がり、力が分散しているお陰で致命的な破壊は未だ起こせていない。

 鎖がガチャガチャと鳴り、その輪の内側が削れ、(わず)かにすり減っている。

 だが、流れた血と汗の量に対して磨耗は微々たるもの。

 鎖を千切る前に命が尽きる。

 というより、今まさに瀕死だ。

 「フ゛ラ゛ラ゛ラ゛ラ゛ラ゛ラ゛ラ゛!」

 汗が流れ、立ち上る熱気が湯気として見える。その中心で巨躯の主は招かれざる少女を射殺さんばかりに睨んでいた。


 投稿サボって申し訳ありませんでした。そしてブックマークありがとうございます。


 シェリー君は異世界基準でも美人です。周囲の人間が着飾っている事+着飾っている連中が容姿を僻んで罵倒する=自信の喪失となっているのです。コミカライズ・アニメのデザインを見てください。バッチリ美人ですよ!

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