私は魔導図書館の司書ではありません
題名はエタっている拙作より。司書には早よ書けとせっつかれています。
『魔界生物読本』
『料理が爆発しなくなる方法』
『魔法爆発の指向性変化術式理論』
『魔石加熱加工論文集』
『ラレンツィオの冒険1』
『ラレンツィオの空の旅』
『ラレンツィオの冒険3』
『魔界大歴史記』
『魔力伝導効率分析』
『天体図 上』
『天体図 中』
『天体図 下』
『天体図 下』
『占星千法』
『星の伝承』
『天体望遠鏡カタログ』
『ラレンツィオの冒険2』
『偉大な魔法使いになる人物が行っている118の習慣』
『鍛造法全集』
『人の言葉は9割ウソかもしれない』
『危険認定魔界植物研究』
『ラレンツィオの地底日記』
『近代人物便覧』
『人魔辞典』
『魔人辞典』
『万華鏡とオーロラの嘘』
『魔法学忌史』
『オー◆とエ■フの禁断の■◇』
『医学全書 人狼版』
『上手な大馬の育て方』
『似非錬金術考察』
『世界剣術派閥一覧』
『医学全書 エルフ版』
『天空城考察』
『盗掘記』
『魔●伝説』
『御伽噺総本』
『世界異種奏法再現方法集』
『音楽都市地図』
『死霊魔法』
『黄金海水質調査報告書』
『冒険家イエスタの日記』
『【閲覧注意】呪詛・解呪秘伝』
『海に消えた巨人』
『■■■の■■■■』
分野は見事にバラバラ。稀覯本・珍本・奇本からあちこちで売られている大量生産の本まで幅広く所蔵されていた。
状態は良いものからゴミ同然のものまで。
日焼けしたもの、汚れているもの、背表紙の上部がボロボロなもの…………
巻数順に並んでいるもの、そうでないもの、同一の図書が2冊あるもの…………
複数の全く違う性質の人間の本棚をひとまとめにしたのが解る。
「ご協力いただき、誠にありがとうございます。」
執事が頭を下げる。
「いいえ、とんでもありません。今日は特別何かをした訳ではなかったので、消化不良を解消する良い機会です。
ちなみに、こちらの資料を家庭教師の勉学の参考資料にすることは、出来ますか?」
「勿論です。
こちらはゴードン家の歴代の方々が集めた図書。貴重なものは当然山ほど御座います。
しかし、この書庫を作ったブクーム=ゴードン様は『本は読むために存在するもの。読まずしてどうする?存分に読むと良い。その結果ボロボロになるなら本望だ。』という言葉を遺されています。
書庫の使い方として、彼のご遺志を尊重した素晴らしいものかと。」
そう、書庫だ。
ここは屋敷の地下。適度に涼しくそれなりに乾燥している書庫だ。
この場所の特徴を簡潔に述べると、書架や本棚、書斎という表現は相応しくない。
『図書館』という表現が相応しい。
閉架式の書庫。棚の下にスライドするようなレールやキャスターがついていて、通路のスペースを最小限にして本を大量に置くための工夫がされた書庫。
だが、私の知る閉架式とは少し違った。いやはや、魔法というものは素晴らしいな。
ブックマークありがとうございます。
司書の力を借りました。ちなみにタイトルは全部自分で考えました。




