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自称そこそこ天才の起源


 「ダシーちゃんは走れなかったけど走れるようになりました。外で遊べないですけど部屋の中を楽しそうに走ってます。

 キバリーちゃんは夜怖くて眠れないって言わなくなって、寝顔がとても可愛くなりました。暴れなくなって、その代わりものすごく綺麗なものを作ってくれるようになりました。

 ミーニャちゃんはお兄さんのご飯が美味しいから太りそうって悩むようになりました。それなのに美味しいお菓子を沢山作ってお姉さんを太らせようとしているので恨まれてます。

 そして私は今、元気に生きています。

 皆綺麗になりました。笑うようになりました。明日が楽しみになって、明日が来てほしくなりました。

 それはお兄さんが私達にいろんなことをしてくれたお陰です。

 お兄さんが私達を変えてくれたんです。人が人を変えたんです。

 だから、私達がお兄さんと一緒に居るから、お兄さんも変わっています。

 だってお兄さん、あったときは顔が怖かったしお話しないしつまらなかったです。好きじゃありませんでした。ごめんなさい。」

 突き刺された。表情が引き攣っている。

 「今、お兄さんの顔はやさしくてココアを淹れてくれて、お話をしてくれて、お菓子をくれるようになりました。今のお兄さんは大好きです!」

 突き刺さった言葉が更に抉る。

 「間違い無く変わったんですよ、お兄さんは。

 今のお兄さんは前のお兄さんを嫌いになるくらい変わったんです。

 それに、お兄さんはここにいる皆を外に逃がしてくれてたんですよね?それなら大丈夫です。皆きっと許してくれます。

 もし許してくれないなら、私もごめんなさいします。ここにいる皆もごめんなさいしてくれると思います。

 だから、お兄さんは怒られないです。怒られるようなことをしたら、その時は私達がちゃんと怒ります。

 だからお兄さんは逃げないでたくさん進んでください。

 大丈夫です。天才発明家のお兄さんには私達がついています。

 それでも、お兄さんが自分を許せないなら、お兄さんが出来ることで許してもらえるように頑張りましょう。私達が手伝います。」

 子どもの滅茶苦茶な道理だと思った。

 やはり自分は許されないと思っている。

 それでも、自分が許されないと思っているが、許されるための果てしない努力をする覚悟は出来た。

 「ありがとうキーちゃん。

 君のお陰でこの俺……自称そこそこ天才はやるべき事が解った、気がするよ。」

 自分が天才だなんて思うべきではない。けれど、天才達のやった事は俺のやった事で、逃げる事は許されるべきではない。

 ならば名乗ろう。そして、背負おう。

 そして、始末をつけよう。


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