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勝ちを掴みに行くもの


 自分達の町で、自分が(・・・)白い目で見られていることに納得が出来なかった。出来るわけがない。

 俺達と同じように文句を言っていた連中は迎合してヤツの言いなりになって働いている。

 どっち付かずだった連中は風見鶏で向こうについた。

 アイツに襲い掛かった俺達は無礼を働いただのなんだのと言われて一週間家から出るのを許されなかった。

 その間、アイツがどうしたこうしたああしたと聞かされ、舌打ちをすると睨まれた。

 睨みたいのはこっちの方だ。



 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!面倒臭ぇ!クソうぜぇ!なんだって俺がこんな目に遭わなきゃならねんだぁぁぁああ!クソックソックソッくそがあああああああ!」

 不愉快な町の様子に腹を立てて、背を向けて森の奥へと向かい、大声で叫び、地面に木々に雑木林に石に、兎に角その辺に当たり散らす。

 そう、この男は解っている。自分が負け犬であることを。自分がやった事がもう何も意味を成していない事を、どころか足を引っ張る行為だったことを。

 あんな家は建てられない。あれだけの人を呼び込む事も出来ない。料理も出来なければあんな見たこともないものを作ることだって出来ない。

 自分は完全な負け犬。けれどそれを認めてしまったら自分はこの村に居場所は無くなる。負けを認めて真面目に働く?今更?そんなこと出来るとでも?

 「クソが!」

 自分が負け犬だと頭の底では解っている。だからこそそれを認めたくないからそれ以外の部分は沸き立ち、荒ぶって、何とか頭の底にあるそれを沈めたままにしようとしていた。

 当然、そんなことに意味はない。


 「ウノはやっぱりバカだなぁ。それだけ暴れても、何も壊せないんじゃ、誰も見てないんじゃ意味なんて無いんだよ。」

 腹の立つ言い方だった。

 自分を嘲る言い方だった。

 自分の方が上だと思っているアイツの声だった。

 「クアーット!テメェ、どの面下げて俺の前に来やがった⁉

 尻尾巻いて逃げ出したこの、負け犬がよぉ!」

 荒ぶる心の全てをいつの間にか(うしろ)に来ていた腐れ縁にぶつける。文字通り拳を固め、勢い良く振り返りながらその勢いで思い切り殴り付けた。

 昔から、怒りのままに拳を振るって暴れれば一番だった。怒鳴れば誰もが顔を歪めた。

 だから今回もそうなると思っていた。

 「ウーノ、僕は負け犬じゃない。大局を見よう。序盤に負け越していても最後に勝てばそいつは勝者なんだ。

 僕達(・・)はこれから最後の勝ちを掴みに行く。勝者になるんだ。」

 顔から血の気が失せて少し頬がこけた腐れ縁の男に不意打ちの拳を掴まれた。

 今まで、こんなことは無かった。

 「なんだってんだ?これから俺達だけであれを引っ繰り返すとでも?引っ繰り返せるとでも思ってんのか?

 クソガキでも解るだろうが!出来るかよ!寝ぼけてんのかこのボケが!」

 一瞬、何かが頭を冷たくしたが、また怒りの炎が燃え上がり、その炎は何かを見えなくした。

 もう機会を失った。




 昨日はギリギリ投稿で言えませんでしたが、無事、アニメモリアーティーが最終話を迎えました。

 作品に関わった全ての方々に感謝を。私の夢より先の夢を叶えて頂いたこと、なんとお礼を言って良いか解りません。

 そして、アニメは終わりましたが原作は未だ未だ終わりません。胸の火にアニメという特大の薪を加え、更に小説は歩んで行きます。

 強欲で身の程知らずは誰よりも承知していますが、またお報せがしたい。


 そして、事後報告ですが最終話記念でCCCとROSE(ファン名)の皆様がトレンドイン企画をして下さいました。感謝を。そして、また貴方達の楽曲を最後に聞く日が来る事を私は望みます。


 阪本久瑠実嬢からの感想もありました。私もコション嬢のぶっ飛んだ描写を見ていて本当に楽しかったです。『またこんな役がやりたい』に応えられる日が来る事を、私は渇望します。



 なんやかんや言いたいことは山とありますが、兎に角これだけは確かです。

 とっても楽しかった!

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