負け犬・駄犬・それ以下の人へ向ける目
ブックマークありがとうございます。
そして聞いて下さい。色々と駆使してエゴサをしたところ、芸人の方が今期アニメのお話をしている動画を見つけまして、本作について語って下さっていました、とても嬉しい!
アニメor漫画から来たと思しき方がこちらに来て『時間が吸い取られる』と本作について言及なさっていました!
200話以上読まれて非常に嬉しいのですが、夜更かしはなるべくやめて下さい。本作関係で不健全なのは教授と私の頭だけで十分なので!読者の皆様、息災で拙作を推してください。お願いします。
町の外からやって来た人間は服装とその動きが目に付く。
興味深いとばかりに、そして信じられないとばかりに町と人々を見ている。
それは暗にここが廃墟であるべきだと、自分は幻覚を見ているに違いないと考えている不信感と困惑に満ちた表情と動きだった。
無礼極まりない?表情を隠す努力?
風評被害を受けて保証も無し。
この前のあの一件で注目されるまで忘れ去られていた場所。
そしてここまでの道中は馬車が通っていないお陰で轍が消えて荒れ放題。
これで期待をしている方が判断としては誤りだ。
まあ、こちらとしてはその方が良い。期待や予想は徹底的に破壊して、虚を生み出してこそ、意味があるものだからね。
サプライズをプレゼントするなら、徹底的に……だ。
スバテラ町の、村の人間側はどうかと言えば、そんな信じられないという客の目を気にする様子は無く、客をもてなすために勤勉に働いていた。
木の実を拾って、糊口を凌いで、そうして忘れられ、繋がりを喪い、代り映えのしない灰色の光景を繰り返し、徐々に廃れて死んでいく。そんな日々が延々続く。そう諦めていた。
そんな日々が今、一人の少女によって打ち砕かれて、昨日と違う今日を生き、今日と違う明日を想う事が出来、何より人との繋がりが生まれている。
『必要とされている』そんな自信と自負が立ち上がらせる。
社会と繋がり生きているという実感を噛みしめて労働している。
それ自体は歓迎すべきことだ。この連中が無気力で自堕落な肉の置物のままだったら私が魔法を使って死に物狂いで働かせる必要があった。
この連中が自堕落に破滅して谷底に堕ちるのは良いが、命綱を結び付けられたシェリー君が諸共に堕ちるのであれば私はその綱を切って阻止する。
手間が省けた。
だが、許せないことが一つある。
「ああ、モリアーティーさんこんにちは。今日は見回りですか?」
「これ、新作の太陽揚げを作ったんです。是非貴女に味見をしてもらいたくて。」
「いや、ありがたいありがたい。モリアーティー様様だ。」
私はこの連中を『負け犬共』と表現した。
自分達が敗北者であることに甘んじ、台本も覚えていない棒読みの猿芝居役者が自分を悲劇のヒロインだと思い込んで演じている。
負け犬になった経緯が不可避だとしても、他人は知った事じゃない。
連中がシェリー君に対して行った非礼無礼は負け犬で正当化出来るものではない。決して。
そんな『負け犬』が今、シェリー君の飼い犬とばかりに尻尾を振っている。
人間は短絡的な感情と損得勘定で動く度し難い生き物だと知っているが、不快だな。
『負け犬』ではなく『駄犬』……愛嬌も可愛げも無いので駄犬以下だな。これでは犬に失礼だ。
現状を憂いながらも連中の様子を見て安堵の笑みを浮かべているシェリー君。
だが、私はそう優しくはない。この連中にはシェリー君の役に立つ駒になってもらう。
現状の対価だ。
アニメ最終話が数時間後に迫っています。
視聴者の皆様、有難うございました。皆様の応援あってこうして夢が見られました。
相も変わらずの拙作ではありますが、これからも応援いただけると幸いです。




