餌の分析
ブックマークといいねありがとうございます。
「この町に来ている人と来ているはずなのに来ていない人がいます。
問題はそこです。その差異なのです。」
「といいますと?」
「この町に向かっている情報があって、ここに来ていない。
ならば道中何かが起きてしまったと考えた方が自然でしょう。
ただ、道中誰かに襲撃されたという可能性は、無いでしょう。」
「そうですね、ここに来るまでサインされた契約書の数が増えましたので、ね。
ここに来るまでの道にはほとんどそういった方々は残っていないでしょうし、何よりここに書かれた組織を襲う力は持っていません。」
自分達を餌にして釣ったわけだ。大量の護衛を。結果的に治安が良くなっている。
「この場合、ここに来ていない方々の身に起きた何かが我々の思っているものだった場合、襲われた人と襲われていない人がいる事になります。
もし、襲われた人々の共通点を知ることが出来れば、我々はより魅力的な囮になる事ができるのではないか?と思ったのです。」
商人からある程度話を聞いていた。
この町には今、『ファストーフレーサーズ』・『凡人の会』・『ウィグベスト』という連中が来ている。
そして、我々が大男の手にかかる寸前で助けた喧嘩っ早い商人の同業者の話によれば、その連中の他に『ヤバレルファミリー』・『ハウズデイラボ』という連中が向かっていた。だが、今この町には来ていないという話だった。
襲われた奴(確定)と襲われている奴ら(仮定)と襲われていない(確定)の三者が居る。精度は低いが、共通項を見出せるかもしれないという話だ。
「来ている組織は3つあります。順に説明いたします。
1つ目、『ファストーフレーサーズ』は走り屋の若者連中の集まりで改造した運搬用ではない馬車を繰り、速度を競う事を行っている集団です。ここに来た人数は15人。ちなみに皆様この町に暴走したまま飛び込んで全員警備官の方々に捕まっている最中です。
そして2つ目、『凡人の会』。こちらは色々と掟破りな破天荒な研究をする方々で来たのは5人。彼・彼女らも捕まって警備官から怒られています。
最後に3つ目。植物研究をされている『ウィグベスト』。ここの方々は3人で来て、太陽揚げを食べて原料に興味を持って村人を雇って森に入っています。」
「彼・彼女らが道中襲われた可能性はありますか?」
「無いですね。後程念のため確認しますが、前2つの組織は警備官の方々から目を付けられているので所在不明者が1人でも居れば情報提供の依頼が来るはずです。」
「誰かに言われてここに来た可能性は?」
「それもありません。三者とも私の流した情報を聞き付けてやって来たという話で、皆様念入りに準備をしたというよりは急にここに来たという出で立ちでした。
『ウィグベスト』の方はフィールドワーク用の準備一式は揃えて来たようですがね。」
EDを歌って下さったCCCの皆様からビデオメッセージを頂きました!
もっと正確に言うとYouTubeの公式チャンネルで手前の拙い手紙と粗品の開封動画が公開されて……。
嬉し恥ずかし楽しい矢張り恥ずかしいという具合です。
アニメ化して、アニメになっただけでなくこうして色々と嬉しい事が幾つも起こって、私は果報者です。
 




