エサをどうするか?
さぁて、明日の朝を爽やかに起きるには見捨てないだけでは不十分。見捨てずに問題を解決しなければならない。
あれが純粋に焦土から生き残ったものにしろ、人工的に持ち込まれたものにしろ、見付けなければ話にならない。
大男の話を聞く限り、シェリー君が灰にしたアレ程の大きさではない。そもそもあれと同規模のものがあるのなら、純粋な力で磨り潰せば終わりだ。
シェリー君が使ったアレを怖がった?ならばこの近くに潜伏する理由は無い。遠方へと逃げて姿を完全に晦まし、行方不明者をあちこちで一人二人出しては移動しを繰り返していたのなら詰んでいた。
何故か?それはこの際置いておこう。だが一つの事実としてこの場所に固執していた。
生き残りか持ち込みか、それは解らない。予測するための材料となる情報も無い。
ならどうするか?
とある誘拐事件の話をしよう。その誘拐犯は狡猾で人質を攫う場面を誰にも見られていなかった。身代金の要求をする際も伝言役を何人も噛ませることで自分まで辿り着かないようにした。
だが犯人は呆気無く捕まった。何故か?
理由は簡単。誘拐した人質が警察官だったから。警官だと気付かずに人質にして、おまけに逃げられて、アジトの位置や誘拐犯の人数が筒抜けになって捕まったのだ
阿呆な話だ。間抜けな話だ。だがこれは一つの真理を示している。
如何に巧妙な手口を思いついて実行しようとしても、犯罪の性質上避けられない事象がある。
誘拐事件の場合、相手が愉快犯でなく金目当ての場合に限るが『目的のものと接触をする』・『脅して金を巻き上げるための何かを手中に収めねばならない』というのがそうだ。
たとえば、そこにアッと驚く仕掛けを仕込んでおけば、反撃に転じられる。
つまり、この変則的な、しかし拡大解釈をすると誘拐事件となる場合は何をすれば良いかと言えば……
「おとり作戦か……」
「矢張りそうなりますか……」
「ですが気は進みません……」
そうなる。この場合は『身代金というシステムが相手に通用しそうにない』という点が頂けないが情報が無い以上これが最も早い。
「それよりも問題はおとりです。一体どんな人がおとりになるかが解らない以上、どうしようもありませんよ。」
商人が眉間に皺を寄せる。
だが、それに関してはある程度の仮説が立てられる。
「紙と書くものをいただけますか?」
シェリー君が自称そこそこ天才にそう訊ねると直ぐに質の良い紙とペンが出てきた。
・『ファストーフレーサーズ』:来ている
・『ヤバレルファミリー』:来ていない。
・『ウィグベスト』:来ている
・『ハウズデイラボ』:来ていない
・『凡人の会』:来ている
書かれたのはその5つだった。
残念ながら未だ4話を見られていません。皆様から見てかの淑女はどうでしたか?
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