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スバテラ町への招待状

 とある商人は己の持つ深く広い人脈を駆使してあちこちに招待状を流した。

 拝啓で始まり、敬具で終わるその招待状の内容は要約すると以下のようなものだった。


 モラン商会バイスリー=イタバッサより、高貴で聡明な貴方様を新たに出来たばかりのスバテラ町へとご招待いたします。

 この町は夜でも太陽が昇り、町に薪が無くとも全ての家の暖炉の火は燃え続け、町の中全てが夏の日のように暖かい町となっており、高貴で聡明な皆様でさえ見た事がない未来の町となっていることでしょう。

 しかし、この町にはまだ伸び代があり、町に住む人も十分とは言えない状態です。

 スバテラ町には沢山の家があれど、そのどれもこれもが空き家。

 人がいなければ町は町足りえません。

 そこで、我々は町の一区画の権利を高貴で聡明な皆様にお譲りする決断をいたしました。

 町は広大ですが、限りあるもの。聡明な皆様には賢明な即決を期待しております。


 招待状はそのまま町の一部を買う権利になっていた。しかし、それだけではなかった。

 スバテラ町は快適ではあるが、そんなことを知らない人間にとってはそれを説明した文言や描いた絵画は虚構でしかない。だから、同封されていたものがあった。

 町の詳細が書かれた文章が封入されていた。

 町の図面と風景が描かれた絵画が封入されていた。

 そして、町の核となるものが、実物が封入されて、同封されていた。



 灰皿の中で、焚き火の中で、暖炉の中で、実験用の硝子(ガラス)の中で、魔法で制御された隔離空間の中で、それは煌々と燃え、直ぐに消えた。

 ほんの少し、ほんの少しのその灯火は見るものが見れば金銀宝石の鉱床だと理解できた。


 灯火は人々の欲望に火を点けたのだ。


 「ゼニバ=ゲッチボーン様ですね。お待ちしておりました。」

 人通りが比較的少ない町の一画。コソコソと隠れるようにゼニバ=ゲッチボーンは部屋へと入っていった。



 部屋の中には上等な葉巻とコーヒーの残り香が漂っていた。

 『喫煙』という行為は、高い金を払って買って、その買ったものを燃やして金になる自分の寿命を削り取るという、金を払って金を捨てる意味不明な行動だと思っている。

 だから、葉巻には然程興味はないが、売れるし金になるので価値は知っている。

 これは上等な葉巻だ。


 「コーヒーは如何(いかが)でしょう?」

 普段はコーヒーも飲まない。あれも高いし生命維持に必要不可欠なものでもない嗜好品だ。水があればそれでいいじゃないか。

 けれど、タダなら飲んでも良い。

 「貰おう。」

 「お砂糖とミルクは?」

 「たっぷり入れてくれ。そう、たっぷりと。」

 なぜなら、甘いものは高価だから。



 ブックマークとPVがこんなに……と毎日驚き、そして嬉しくて仕方ないです。誤字脱字報告も含め、ありがとうございます。

 今回のアニメを機に読んで下さった人が楽しんでくれると良いなぁ……。


 さて、今回は気乗りしませんがイカれた製作陣をご紹介いたします。

 アニメ製作陣、沢山のプロフェッショナルがいる中でたった一人、自分の黒歴史と愉悦に巻き込み、その上自分だけ毎日呑気に小説を書いている度し難い輩がいるんです。

 さらにアニメの公式HPを見るとスタッフの欄の一番上に載っているという、とんだ罰当たりです。

 そいつの名前は、皆様ご存じ、黒銘菓でございます。

 『原作・キャラクター原案』という形でアニメに関わる機会を得たこと、嬉しく思います。

 正直、毎日毎日アニメの事を考えています。こんな貴重で楽しくて嬉しい経験、初めてです。

 どうか皆様、この愚かしき原作者の奇行に力を貸して下さった皆様の勇姿をご覧いただけますと幸いです。

 そして、アニメ化したにも関わらず、頑なにSNSをやらない原作者に代わって宣伝をよろしくお願いします!

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