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配管工事をしよう

 「ただの商人か……。ただの商人、ただのしょうにんとは……いったいなんだ?本当に何者だ?小型とはいえこの量はその辺の施設じゃ手に入れられないレベルだぞ。」

 哲学の迷宮に入った自称そこそこ天才を置いて確認していく。

 自称そこそこ天才が持ち込んだサンドワームの群れを加工して出来た配管。それが蛇腹状にして蜷局(とぐろ)を巻いている。

 蛇腹の端が無機質の指で引き延ばされて道の中心にある溝に置かれ、一定の長さになると石板が滑り落ち、その前に置いた石板の前に置かれる。滑り落ちる際に生まれる僅かな隙間は一番後ろのムカデの足が後ろに押して埋める。

 足こそ遅いが敷設を自動で確実に行っていく。

 「とはいえ、配管の敷設予定図は決まっていたから敷設の際の動きは何とかなるが、周辺建造物に繋げる工程は建物の形状ごとに違い、複雑故にこの装置では接続は出来ない。

 さぁ、ある程度の敷設が終わったらエリアごとに手作業で設置を開始する。これに関してはにわか仕込みの素人にやらせると洒落にならない数の死人が出る。

 モラン商会の建築部門の人間は出来るという話だが、人手は減る。となると……」

 「当然、私も手伝います。」


 「安全装置は作動を確認しておいて下さい。配管の繋げ忘れに気を付けてください。隙間が無い様に気を付けてください。現在はエリア毎に管を区切ってあるので空気を流して管を膨らませてありますが、異臭を感じたり、体調が悪くなったり、安全装置が反応したら知らせてください。

 ということです。よろしくお願いします。」

 見習い少女が後ろの仏頂面の棟梁の代弁をして、言葉が終わると同時に皆が頭を下げて解散していく。

 話の中にあった『安全装置』を渡された作業着の腰に取り付けてシェリー君も準備完了。

 商会の建築部門のヒラ連中に混ざって会長が身分を隠して作業するという、なんとも妙な構図が始まった。




 サンドワームの腸の中を空気が流れて配管の形になって膨らんでいる。

 それを建物にぽっかりと空いた穴に差し込み、隙間を特別性の粘土で塞ぐ。

 建物側に回り込んで空気の流れを確認する。設計されていた通りの流れになっている事を確認。用意されていた大型地図にチェックをする。

 こうしてセンチパレードが通り過ぎて行ったエリアを人が追いかける様に仕上げていく。

 時に建築、時に街頭もどきに粘土を使ってサンドワームの腸を繋げていく。

 「エリア1全設備との接続を完了しました。では、一度色付き煙幕を通して漏れが無いかを確認します。お願いします!」

 見習い娘が空気を送るためにサンドワームの端に取り付けられていたファンの装置を操作すると、一部の建物から緑色の煙が立ち上る。

 「確認をお願いします。」

 建築部門の人間が煙の立つ場所へと向かっていった。


 ブックマークといいね、そして沢山の人が読んでくれている……ありがとうございます。

 誤字、ごめんなさい。

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