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軍を射んと欲すれば将を制圧せよ


 一人目の始末、一先ず完了。

 しかし、このまま放置していては、スバテラ村周辺に謎の妖精が現れたと悪い意味で話題になってしまう。疑惑の目を向けられ、警戒もされる。

 妙な話題でこの辺り一帯が荒らされず、我々が警戒や疑惑を被る事がない状況を作り出す。

 「その為に二人目も狩るとしようか。」

 「これでは我々の方が余程悪者です……」

 活き活きと楽しい遊びを前に心躍る私。そして自分のやっている事に若干の後ろめたさを覚えるシェリー君。

 「こんな明らかに素人装いではない輩が、こんな場所に夜中コソコソと忍び込んで来ている。しかも武器を持って、だ。

 野次馬というにはあまりにも物騒が過ぎる。治安の面から言って、制圧されても文句は言えない状態だ。あちらの方が悪い。」

 「それは……むぅ……」

 言いたい事はあるのだが、相手の状況に関して否定も出来なかった結果、シェリー君の文句は口の中に収められ、頬が膨らむ事となった。

 「さぁ、次だ次。時間制限はないが睡眠時間は刻一刻と削られている。急いでベッドに入って夢の世界を楽しもうじゃないか。

 さぁくれぐれも怪我の無いように急ごう。」

 「…はい。」

 一人目の侵入者の顔に麻袋を被せ、簡易的に全身を縛り上げてその場を後にする。


 目撃者は0。制圧人数は1名。


 ぞろぞろと無機の群団が森の奥へ向かっていく。

 人の歩みよりも遅いが、人より小さく、静かで、そして人の群団と違って一糸乱れぬ行動。

 枯れ木に枯れ草、痩せた土にひび割れ砕けた石だけが広がる光景。

 しかし、先程よりも遮蔽物の密度が薄らいでいる。延長戦術騎(エクスパンドール)を散開させて動かす機会が減り、地面の起伏が穏やかになり、より遠くの木々や石が見えるようになった。

 もう直ぐだ。直ぐに、見えるようになる。

 戦闘力こそ、大きさ故に、個々の力は僅かだ。が、この大きさの魔道具は捕捉され辛い。

 そして、戦闘になったら、全方位から、僅かな力で、袋叩きにすれば、良い。

 全部を、払い除けて、壊す前に、こちらが相手を、壊せばいい。

 たとえ負けても、私は無傷だ。

 幾つかの視覚が、揺らいだ。

 何かが映った?そう見えなかった。が、一応、全方位を確認する。

 後ろを映しながら、前方へ進める。その性能が、活きた。

 見えない。何故か、見えない。先程の、画面の揺らぎは気のせい?

 違う、今も幾つかの視覚が揺れている。全機全方位を見渡してもそれの原因が確認出来ない。

 何が、何が、一体何が?

 「無礼を致します。」

 音が聞こえた。

 姿がないのに、それだけは明確に聞こえ、バチンと音がして、痛みが……体が、動かない。

 体が重くなって、痛みが、消えた。


 目撃者は0。制圧人数は2名。

 ヒロインの性能的に、そして教授の能力的に、『気付かれる前にやる』が一番合うのです。


 誤字脱字報告感謝致します。間違い無いか確認しました!今回こそ大丈夫です!

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