虎狩達は動く
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少女らは奇妙なガールズトークを終えて、それぞれの場所へ帰っていく。
大工の腕は良し。
材料に関してもこの辺りの樹木が使える事は解った。
土地に関してはまっ更に、或いは真っ白にしたばかりの土地がある。
これらを使えば側は繕える。
中身はこれから。こちらに関しては専門家が捕まった。
そして、外見と中身ができた後で、それからが問題だ。
「情報の拡散。これが出来なくては真の問題解決には至りません。しかし……」
「我々が今この場を離れるとその間この場で再度厄介事が起きた場合の処理が難しい。更に、地下のアレを知っている者が、そしてアレを動かせる権限とそれを十全に扱える人間が一人しかいない。
かと言って、アレを他に知らせるのは時期尚早な上に、時期が来たとしても知らせるに足る信用と扱えるという信頼のある人間が一人しかいない。
アレが何処の何由来かはこの際置いておいて、それでも明確に劇物には変わりない。
長年化け物の上に住んでいて一切気付かなかった危険に気付かないような連中に使わせては周辺の人間を巻き込み派手に自殺するくらいにしか使えない。」
「それは言い過ぎかと……」
「アレから漏れ出た一部を放置していた連中を信用しろと言うのかね?
君を何度か襲った連中が素敵な玩具を前にして理性的であるとでも?
性善説は結構だが性善説に基づいて殺戮の道具をばら撒く事は我々の側だ。」
「それは……申し訳ありません。」
「話を戻そう。
先ず、我々はここにいてアレを最低限管理しなくてはならない。そして、今の内に村の外を掻き回してここに誘導する線路を用意しておく必要がある。
ならば外は他に任せるべきだ。機動力があり、ある程度拡散力があり、面倒事にある程度慣れている人材がね。」
業腹だが該当する者が、者達が居る。
連中があの火柱を見て突撃してこないという事は、嬉しい事に死んだか或いは別件を任されて動きたくとも動けない状態にあると考えられる。
シェリー君の為に動きたくとも動けない状況とは何か?
逼迫した状況?それも考えとしてはアリだが、もっとある筈だろう?
『シェリー=モリアーティーの為の行動だ。』という魔法の言葉で縛り、使い勝手の良い騎兵として使われている場合だ。
「飛ばしな飛ばしな!しゃらくさい賊は蹴散らしちまいな!」
「解ってまさぁ!こっから崖を落りるんで舌を噛んだり命を落としたりしない様に覚悟しといて下せぇ!」
「ふん縛ったんで問題ありやせん。馬車がバラバラにならなきゃ!」
馬車は馬車でも『戦車』の如き勢いで走る者達が居た。
陸路に関して確実かつ高速で荷物を届ける走り屋達は『虎と武器を組み合わせたように見せかけた虎を狩る者のエンブレム』を掲げて走っていた。
実はなろうの周年イベントに行ってきました。楽しかったです。
本職の方はマイク越しでも声が聞き取りやすい様な気がするという新たな発見もありました。