第一話 転校生は突然に....
キミは、劣等感を感じた事はないだろうか?
例えば、学校では他の人と比べて勉強が出来なかったり、運動が出来なかったり、会社だと他の人より業績が良くなかったり、自分だけ昇進できなかったりなどこのような事などで劣等感を感じた事は少なくともあるだろう…この物語の主人公の白銀一真も劣等感を感じながら学校生活を送っている人の1人だ。
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「おーい、一真!一真!起きてるかー!」
家の玄関から自分を呼んでいる声がした。
「起きてるよ!朝なのに何でこんなにテンションが高いんだよ....」
一真は、部屋着から学校の制服に着替え、幼馴染みであり親友の蒼羽和也がいる玄関へ向かった
「おはよう」
「おう、おはよう!一真朝ご飯食べたか?」
「食べてないけど…」
「じゃあ丁度いい、母さんがこれを一真にって」
と言われて渡されたのは、まだ温かい弁当箱だった。
「お前の両親海外出張中なんだろ?だからその間母さんが朝ご飯を作ってやるってさ」
「マジか、ありがとう、入りなよ僕今から朝ご飯食べるから」と、和也と一緒にリビングへ向かった。
一真の両親は海外出張中で家に居らず今は、一人暮らし状態だ。和也は一真を寂しい思いをさせないようにと毎日自分の家に来てくれる。そして時々自分の家で一緒に夕飯を食べることもある。
「その弁当食い終わったら早く学校行こうぜ、今日、転校生が来るらしいぞ!」
「だから朝からテンションが高かったのか....」
まだ温かい弁当を食べながら言った
「あぁ、楽しみだァ早く行こうぜ!」
「ごちそうさまでした。美味しかった、ちゃんと後でお礼しないとな」
弁当を食べ終え家を出る、いつもよりは学校へ行きたくない気持ちが薄れていた
「転校生かぁどんな人だろう....」
「やっぱり一真も気になるのか楽しみだな!」
転校生が来ることに2人ともワクワクしていた。
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学校に着くといつもより教室がザワついていた。
「あっ、一真くん、和也くんおはよう」
「うん、おはよう」
「おいっす、緑川さん」
教室に入ってすぐに出会ったのが友人の緑川遥奈だった。
「みんな、朝からテンション高いよね。やっぱみんな転校生気になるよね〜まぁ、私も楽しみなんだけど。」
「僕も、楽しみだあなぁ…」
「俺も!」
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「はーい、みんな静かにしろ、今日は転校生が来ている。入ってこーい」
そう担任が言うと、1人の生徒が入ってきた。
「ぉ....おはようございます!今日からこの学校に転校してきた黒田綾音です!よろしくお願いします!!」
「綾音の席は、うーんと、一真の隣だな。あの奥の席に座ってくれ。」
「はい、」
一真の隣の席に転校生が座った。
異性の転校生に少しだけ、テンションが上がっていた一真だった。
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朝のHRが終わりすぐに転校生の周りには人だかりが出来ていた。
一真達は、その様子を少し離れたところから見ていた
「やっぱ転校生は人気だな」
「そうだね」
「一真くん黒田さん気に入ったの?」
「い、いや、違うよただ可愛いなぁと思っただけだよ」
「マジか、一真一目惚れだな!」
「一真くんあんな感じの子がタイプだったんだね」
「ちょっと2人ともからかわないでよ!」
「まぁ、とりあえず仲良くなれるように頑張れよ」
「応援してるからね」
はたして、こんな自分が仲良くなれるのか、一真にはあまり自信がなかった…
一真は、学力と運動は平均的であったが、この学校ではそれよりも「異能力」が重視されているためまだ異能力を完全に使うことが出来ない一真はこの学校では劣等生になってしまう。
この学校に来て1年経つけどまだこの能力を扱うことが出来ないのかダメだなぁ自分、今年こそは出来るようになるかなぁ....
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今日の朝は嬉しさといつもの劣等感で複雑だった....