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どっち。

作者: 雑色 歩貴


 ぶつけて腫れた。

 僕の心は動く度に傷んだ。


 居たんだ。

 確かにここに君は居たんだ。

 暗い部屋と僕からの着信履歴。光る君の君のスマホ。


 大して変わらない部屋。確かに変わってしまった僕。

 君は変わらない世界を憎み、悲しみから逃げるように電車に飛び込んでいったんだ。


 会いたいんだ。

 世界なんてどうでもいい!

 くだらない世の中から僕も逃げて君に会いに行く!


 君はどこだろうか。

 思わず目を細めた駅と夕暮れ。

 君は多分こっちのはず。

 近づく電車。

 二択の選択。


 僕は迷わず上った。



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