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タイム!!  作者: 音無奏
28/48

“ゲーム”結託。

一日遅れました、すみません!!

「よぉ、峰川。何で陸上部がこんなとこにいるんだよ?」



 萩は、こちらへ歩いてくる長身の男に向かって言った。



「…何で、じゃねーだろ。勝手に俺たちのルーキー連れて行きやがって。」


「だってぇー、弟くんはラグビー部がいただくもん。」


「…弟くん?」



 形のいい眉を寄せて、峰川は聞き返した。

 それに対し、萩は不機嫌そうに口を開く。



「えー…。何、みんな知らねぇの?ラグビー部最強のラインだった、倉田孝介先輩の弟くんなんだぜ?あの子。」


「ふーん。」



 萩は熱弁するも、峰川の反応は薄い。


 つまんねぇの、萩はつぶやく。



「つーか、夏原はどーしたんだよ?あいつ部長だろ?副部長のお前を使いに出すなんざ、俺たちもなめられたもんだねぇ。」


「…お前も部長じゃねーだろ。」


「いーの、俺たちは。」



 子どものようにつーん、として萩が言う。


 そんな萩のマイペースさに呆れたように、峰川は露骨にため息をついた。

 萩はふん、と鼻を鳴らす。



「…とにかく、倉田は返してもらうからな。」


「嫌だねー。」


「あのな、倉田はラグビー部に入る気はないんだぞ?」



 その言葉に、萩は一瞬きょとんとした顔を見せて、くすくすと笑いだした。


 峰川は顔をしかめる。



「…何がおかしいんだ?」


「…いやっ、別に。…それより、いいぜ?弟くん返してやっても。」


「…どういうことだ?」



 今までとはまったく違う発言に、峰川は怪訝そうな視線を萩に送った。



「あらら、そんなに警戒しちゃうの?」


「お前に限ってな。」



 そう言い切った峰川に、萩は舌を出す。

 いたずらっぽく肩をすくめて、鋭い子は嫌いだなぁとつぶやいた。

 そして、軽くのびをする。


 その様子を峰川は静かに見つめていた。



「んー…まぁ、峰川くんの予想通り、ってトコなんだけどねぇ。鬼ごっこ対決ってどうよ?」


「…鬼ごっこ?」



 萩が言う予想もしなかった言葉を、そのまま峰川は返した。


「そっ。弟くんを俺たちが捕えりゃ俺たちのもん、逃げきれば君たちのもん。」


「…倉田一人じゃ、俺たちが不利だ。」


「守ってやればいいじゃん、陸上部?」



 なおも不満顔の峰川に、萩は指を左右に振った。



「そんなカンタンなゲームにするつもり、ないくせにさ。…要はココだろ、峰川くん?そっちには、君がいる。」



 言いながら、降っていた指を頭に持っていく。


 こともなさげに“ゲーム”と言うが、峰川は気にとめなかった。



「でも…そっちには、お前がいる。」


「俺っ?…冗談。」



 心底驚いたように、萩は目を真ん丸にした。

 それに気付いてか、峰川は言葉をつめる。



「それは、どうだろうな?」


「…ったく、何を言い出すやら。」



 萩は呆れたように肩をすくめながら、まっすぐに注がれる峰川の視線から逃れた。



「とにかく、俺たちが不利って訳だ。」


「…しゃーないなぁ、弟くん以外に一人つけてもいいぜ。峰川くんだけにト・ク・ベ・ツ。」


「…俺、だけ?なんだよそれ。」


「へっ?…まっ、まぁいろいろと、な?」



 萩は渋い顔をして、語尾をにごす。



「…まぁいい、受けてやるか。」



 少し考えてから峰川は答えた。

 そして、いたずらっぽく笑う。


 初めて見る目の前の男の表情に、萩は身構えた。



「…サッカー部もハンデつけてやれよ。大牧が喜ぶぜ?」



 ちぇっ、わかってんじゃねーか…萩はバツが悪そうに舌を出す。



「期日は明後日、場所は校内。わかったらさっさと行け。」



 しっしっ、と手を振りながら萩は言う。


 だが、思い出したように萩は立ち去ろうとする峰川の背に声をかけた。



「…あっ、待て峰川。」



 振り返ったのを確認すると、にやりと笑う。



「弟くんによろしくな。」



 その言葉に冷ややかな視線で答え、峰川はきびすを返した。


 それを苦笑しながら見送る萩の視界に、将人の姿が目に入る。

 その姿を確かに認めた途端、萩はかたわらに落ちていたラグビーボールを掴みあげた。



「まぁーさとぉー!!」



 その網目に指を合わせ、将人に向かって思いきり投げた。



 クリーンヒット!


 将人はよろけた。

ついに、萩先輩たちとの直接対決の舞台が整いましたねー!!        が、当日までまだちょっと書きたいことがあるので…お付き合いお願いします。これから、更新が不定期になるかもしれませんが、ご了承ください。

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