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タイム!!  作者: 音無奏
27/48

将人クンは誰のもの?

「ぐぁっ、よっ…陽子っ!?苦っ…しい。」


「めっちゃ久しぶりやん、将人!」


「はっ、なっれろー!」


「ええやん、別に。あっ、照れてんの?可愛いー。」



 目の前で繰り広げられる光景に苦笑した。

 隣の侑希を見ると、同じように苦笑してこちらを見た。



 陽子の将人に対する、この強烈なアタックは毎度のことで。

 ああ、またか…、程度で俺たちはすませている。


 ただ一人、佐野だけが目をぱちくりさせて戸惑っていた。

 多分、これが普通の反応なんだろうな…。


 そんな将人たちの様子を見るに見かねて、葵ちゃんが陽子をなだめる。



「陽子、離してあげないと将人くん、苦しそうだよ。」


「あ…せや、将人離さなあか…」



 そこまで言って、佐野は口つぐんだ。


 陽子がものすごい剣幕でにらんでいるのだ。


 陽子は将人を離し、佐野を見据える。



「うぇっ…何や悪いこと言うたか、俺!?」



 困惑した顔を向けて言われた。

 俺は哀れみの表情で佐野に説明する。



「陽子は、自分以外の人間に将人クンを呼び捨てにさせたくねぇんだ。…つまり将人クンの呼び捨てはタブーって訳。」


「んな事、俺知らんで!?」


「…陽子に言い訳は通用しなっ…」



 俺の言葉はそこで切れた。

 陽子が背後から佐野の肩を掴んだからだ。


 佐野がびくりと体を震わせる。



「自分…将人の何やねん?」


「ぅえっ!?」



 急な質問にうまく反応できない佐野に、陽子はさらに詰め寄る。



「何なんや?答えてみぃ!」



 危険信号が黄色に変わったのを感じる。


 俺はとっさに佐野の脇腹を軽く殴った。

 そして、目で合図する。

 すぐに俺の言わんとしついることを理解し、佐野は口を開いた。



「おっ、俺は…俺は将人の友達や!」



 佐野は、すがすがしいまでに言い切った。


 俺はため息をつき、こめかみを押さえる。



 こいつは、人の話を聞いていたのだろうか?


 数秒後、自分の失言に気付いた佐野はしもたっ、とつぶやいた。

 だが、時すでに遅し…。 陽子は半眼になっていらっしゃった。



「…っへー。“将人”、なぁ?自分らそーいう関係なんや?」



 佐野の肩を掴む手に力を加えながら、陽子は佐野と将人を見比べた。


 当の二人は、え゛ー!?といった顔をしている。




 しかし突然、陽子は力なく佐野の肩から手を離し、うつむいた。


 今までとまったく違う雰囲気に佐野がうろたえる。


 大丈夫か?と佐野が声をかけようとしたとき、陽子がつぶやいた。



「…さへん。」


「えっ…?」


「…絶対将人は渡さへん!!」



 がばりと顔を上げ、陽子は怒鳴るように言った。

 そして、将人に飛びついていく。



「うわっ!?よっ…よよよよ陽子っ!ちょっ…離れ゛っ…!?」



 突然のことに、慌てふためく将人。

 そんな将人の頭に、ラグビーボールが直撃した。

すみません。      エセ関西弁ですみません。佐野に続き、陽子もそういう設定です。      けど、番外編ではその設定が必要でして…。    いつか、番外編も公開できたらなぁ…なんて考えてます。          イライラする方もいらっしゃるかと思いますが、これからもお付き合いお願いします。

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