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タイム!!  作者: 音無奏
26/48

救世主は一度にやって来る。

 その時、突然ドアが開いた。


 ドアに背中を預けていた俺は後ろへよろめき、開けた人物にぶつかった。

 というよりは、抱きとめられた。



「えっ、倉田!?」


「なっ…佐野っ?どうしてこんな所に…」



 後ろを振り返ると、佐野と女子二人がいた。



「っと…この二人もどうして…?」


「いや、なんやいろいろあってな…あの後…」






「捺芽!!」



 佐野の言葉をさえぎって、女子の一人が名前を叫んだ。



 捺芽…って、萩先輩のことだったよな?


 部室の方へ振り返ると、萩先輩の面倒くさそうな顔が見えた。

 そんな萩先輩に女子は歩み寄り、その胸ぐらを掴んだ。



 俺だけではない、その場にいたほとんどの人間が凍りつく。



「自分何してんねん!?弱いもんいじめもええ加減にせえや!」



 がくがくと揺らしながらその女子は言い放った。



 ラグビー部員に勝てるとは思わない。

 だけど、そうキッパリ言われるとさすがに傷ついた。


 そんな女子の行動に、萩先輩は大した反応も見せない。

 ただ、面倒くさそうな顔をくずさずにいた。



「陽子、もう止めといて。」



 もう一人の女子が止めに入る。



「せやけどっ…!…あっ!将人や!!」



 嬉しそうに言う女子――陽子の言葉に、俺は振り返った。

 将人と侑希、それに知らない先輩が走って来ている。









「…だっ、大丈夫…か、集?」


「集ぅー。…大丈夫かぁ?…何もっ…されてないかっ?」


「お前らの方が大丈夫かよ!?」



 膝に手をあてて、ぜぇはぁしながら将人と侑希が言った。

 一緒に来た先輩は、息一つも乱さずにじっと俺を見ている。



「…あの…。」


「ん?」



 たまらなくなって、声をかける。

 だけど、何て言えばいいのかわからない…。



「いや、何か…?」


「…君が、倉田?」



 俺の言葉を無視して、その先輩は聞いてきた。



「…そうですけど。」


「そうか。」



 どうして俺の名前を知っているのか聞こうとした。 その時、



「萩!」


「将人ーっ!」



 先輩と陽子が同時に別の名前を呼んだ。



 そして陽子は将人に飛びつき、先輩は萩先輩に歩み寄った。

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