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タイム!!  作者: 音無奏
14/48

拉致に計画は必要なし!

 萩たちが動き出したその頃、集はグランドを見渡しながら立ち尽くしていた。



「将人たち、どこにいるんだよ?」



 台坂中学は、強制入部らしい。

 広いグランドは、新入生勧誘のために忙しそうに走り回っている2・3年生や見学に来ている新入生などでごった返していた。


 ということで、現在、集は三人とはぐれてしまっているのだ。


 グランドまでは短い階段を降りていくようで、その階段の一番上で集はグランドの様子を見ていた。


 広く、綺麗に整ったグランドは、古びた校舎に不釣り合いに見えてならなかった。



「…あっ、佐野?」



 グランドの一角、鉄棒の近くに佐野らしき人物を見つけ、安心した。


 将人や侑希と一緒にきょろきょろとあたりを見回している。

 俺を探してんのかな?


 そう思ったと同時に、ふ、と目が合い、佐野がうれしそうな顔を見せる。

 将人の袖を引っ張りこちらを指さす。


 将人はまったく…といった感じの表情を作り、侑希の頭をパコンと叩きこちらを指さした。


 侑希は、安心したような顔で手を振ってきた。


 思わず、安堵のため息をつく。

 そして、手を振り返す。


 だが突然、佐野が怪訝そうな顔をして、こちらに向かって走り出した。


 どうしたんだ?

そう思うが早いか、急に後ろから抱きかかえられた。



「へ…?」



 状況がうまくつかめず、まぬけな声が口をついてでる。

 足が、プラプラと宙を舞い、抱き上げられている胸のあたりがわずかに苦しかった。


 無理矢理、首をまわして後ろを見る。

 坊主頭の男が目の前にいて、少なからず驚いた。


 やっほー、と軽い感じのノリでその男が声をかけてきた。



「どうも、ラグビー部所属の萩捺芽というもんです。拓真の…じゃないっ、えーっと…部長命令で、君を拉致りに来ましたぁ!」



 はぁっ?

全く意味がわからず、不機嫌極まりない声が出る。

 だが、そんなこと気にした様子もなく、萩という男は続けた。



「ささっ、部室へお連れしましょ。」


「…おい、こら捺芽!俺の命令じゃないだろ!!」



 軽くすごいことを言い出す萩の後ろから、さっきぶつかりかけた男が怒鳴っている。

 二人は、命令した、してないで、言い争いを始めた。


 っていうか、何なんですかあなたたち!?

すいません…。     完璧に暴走し始めてます。けど、こーいう感じて進んで行くので…      よろしければ、お付き合いお願いします!

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