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タイム!!  作者: 音無奏
13/48

単純ではなく、恐ろしい思考回路。

新キャラ登場!!    私の中では書いてて楽しいやつです。

 その男、大宮拓真(おおみや たくま)は複雑な思いで立ち尽くしていた。


 憧れの倉田孝介先輩の弟が、この学校にいることがわかったのは嬉しい事実である。

 だが、その弟ははもう入る部活を決めているという。

ちなみに、ラグビー部に入る気はないらしい。

 これもまた事実。



「…おーい、たーくまー。どうかしたのか?」



 ぼんやりと立ち尽くしている大宮の肩をぽんと叩き、親友である萩捺芽(はぎ なつめ)がその顔をのぞき込んだ。 萩も大宮と同じラグビー部員である。



「…捺芽!今孝介先輩の弟に会ったんだよ!!」


「マジっ!?」



 萩が大げさに声を上げる。



「そりゃいいことじゃん。ほんじゃー、何であんなにくらーい顔してたんだよ?」



 不思議そうに首を傾げる萩に、さっきのやりとりを話す大宮。


 だが、それを聞いて萩は突然笑いだした。



「そんなことで悩んでたのかよ?…拓真は本当に変なやつだなー。」



 さらりとそんなことを言われ、大宮は大げさに顔をしかめた。


 そして、じゃあ、どうすればいいんだよ?と、問うてみる。



「要は簡単だ。…俺らで、そいつを拉致っちゃえばいいじゃん。」



 こいつは時々ものすごいことを言い出すな…、呆れた顔を萩に向けて大宮は思った。



「アホか!そんな強攻姿勢で入部するやつなんか、いないだろ!?」



 パコン、と萩の後頭部を叩いて大宮は言った。

 それに反論するかのように、萩も口を開く。



「じゃあ、拓真は何かいい案でもあるのかよ?」


「うっ…。」



 言葉に詰まる。

 確かに…いい案は浮かばなかった。


 思考回路が萩と似たような大宮は、それしかないのか…、と本気で考える。

 黙り込んでいる大宮を見てほぉらな、と萩が言った。



「じゃっ、そんな感じで。行くか!」


「って、今すぐ行くのか!?」



 驚いたように言う大宮に萩はさらりと言葉を返した。



「…ったり前だろ?善は急げ、拉致も急げってなー。」



 そう言って笑いながら、萩が人ごみの中へ消えていった。


 まぁ、いいか。


 そう言って自分を納得させ、大宮は萩の後を追って玄関へ向かった。

いつも思うんですが…一つの話が短すぎますね。  しかし、PCを持たぬゆえにケータイでがんばってるのでお許しください…。 あと、奇跡的にも毎日更新できてます!!短いから当然と言えばそうなんですが、ちょっと感動してます。自分が(笑)       これからもがんばるので、ヒマなときにでも読んでやってください。

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