単純ではなく、恐ろしい思考回路。
新キャラ登場!! 私の中では書いてて楽しいやつです。
その男、大宮拓真は複雑な思いで立ち尽くしていた。
憧れの倉田孝介先輩の弟が、この学校にいることがわかったのは嬉しい事実である。
だが、その弟ははもう入る部活を決めているという。
ちなみに、ラグビー部に入る気はないらしい。
これもまた事実。
「…おーい、たーくまー。どうかしたのか?」
ぼんやりと立ち尽くしている大宮の肩をぽんと叩き、親友である萩捺芽がその顔をのぞき込んだ。 萩も大宮と同じラグビー部員である。
「…捺芽!今孝介先輩の弟に会ったんだよ!!」
「マジっ!?」
萩が大げさに声を上げる。
「そりゃいいことじゃん。ほんじゃー、何であんなにくらーい顔してたんだよ?」
不思議そうに首を傾げる萩に、さっきのやりとりを話す大宮。
だが、それを聞いて萩は突然笑いだした。
「そんなことで悩んでたのかよ?…拓真は本当に変なやつだなー。」
さらりとそんなことを言われ、大宮は大げさに顔をしかめた。
そして、じゃあ、どうすればいいんだよ?と、問うてみる。
「要は簡単だ。…俺らで、そいつを拉致っちゃえばいいじゃん。」
こいつは時々ものすごいことを言い出すな…、呆れた顔を萩に向けて大宮は思った。
「アホか!そんな強攻姿勢で入部するやつなんか、いないだろ!?」
パコン、と萩の後頭部を叩いて大宮は言った。
それに反論するかのように、萩も口を開く。
「じゃあ、拓真は何かいい案でもあるのかよ?」
「うっ…。」
言葉に詰まる。
確かに…いい案は浮かばなかった。
思考回路が萩と似たような大宮は、それしかないのか…、と本気で考える。
黙り込んでいる大宮を見てほぉらな、と萩が言った。
「じゃっ、そんな感じで。行くか!」
「って、今すぐ行くのか!?」
驚いたように言う大宮に萩はさらりと言葉を返した。
「…ったり前だろ?善は急げ、拉致も急げってなー。」
そう言って笑いながら、萩が人ごみの中へ消えていった。
まぁ、いいか。
そう言って自分を納得させ、大宮は萩の後を追って玄関へ向かった。
いつも思うんですが…一つの話が短すぎますね。 しかし、PCを持たぬゆえにケータイでがんばってるのでお許しください…。 あと、奇跡的にも毎日更新できてます!!短いから当然と言えばそうなんですが、ちょっと感動してます。自分が(笑) これからもがんばるので、ヒマなときにでも読んでやってください。




