魔族編
ここは.....どこだ?
気づけば全く知らない場所にいた。
「うっ...」
頭痛がする。つい先っきまで何かをしているような気がするが全く思い出せない。何か大切な事だったような気がするが.....
「ま、いっか」
思い出せない事をいちいち頑張って思い出そうとしてもどうせ思い出す事はできない。だから俺は思い出す事を放棄した。
「そんなことより、ここがどこかわかんねぇと、どうしようもないな...」
俺は起き上がり辺りを見渡した、辺り一面森だ、そこで違和感に気づいた、視界が低い。
「どういう事だ?
俺こんな小さかったっけ?」
ここにいる前の記憶は全く思い出せないが俺はもっと身長が高かった気がする。
そんな事を考えていると遠くから声が聞こえた。
「誰かいるのか?」
俺は声が聞こえる方に向かったすると、1人の老人と俺と一緒くらいの少女がいた。
俺に気づいた老人が声をかけて来た。
「子供がこんな所でなにをしている?
ん?お前は.....神族か」
「神族?なんだよそれ?」
「お前は神族ではないのか?だが、その赤い瞳は明ら かに神族の瞳そのもの」
どうやら俺の瞳は赤色らしい、あと、子供みたいだ、
自分の姿を見れないのはなかなか不便だな。
そんな事を考えると老人の隣にいる少女が俺に声をかけてきた。
「ねぇ、あなたの名前は何?どこから来たの?」
「どこから来たのかはわからん。
名前は.....カンナギ リュウマ」
何故かは知らないがカンナギ リュウマという名前が頭に浮かんだ、どうやら名前は覚えてるらしい。
「リュウマていう名前なの?
カッコいい名前ね!」
どうやら俺の名前がかっこいいらしい
「そりゃどうも
お前の名前を教えてくれないか?」
「ふっふっふー」
何故か少女は誇らしげに笑っている、名前を聞かれたのが嬉しいらしい。
「よくぞ聞いてくれましたー
私の名前はルイ アルデン 12歳よ!」
どうやら少女の名前はルイと言うらしい。
あと、12歳らしい。
「お前もいい名前だな。
よろしくなルイ。」
「えへへ
そうかなー?実は私もそう思ってたんだよねぇー
ねぇどの辺がいいの?ねぇ?」
( うっぜぇぇぇぇ
いい名前なんて言わなきゃよかったーー)
そう心の中で思ったがさすがに口に出す訳にはいけないので取り敢えず適当に答えた。
「まぁ、色々といい名前だよ
色々と....」
「えへへへ〜
ありがと〜」
どうやらルイは俺が適当に答えたにも関わらず嬉しいらしい。
そんなやりとりをルイとしていると隣にいた老人が俺に話しかけてきた。
「リュウマと言ったな」
「ああ、言ったな」
「お前は自分が何処から来たのかわからないのか?」
「さっきそう言ったじゃねぇか。」
俺はどうやらこういう性格らしい。
また、新たな発見が出来て良かった。うん。
「お前は年上に対する口の聞き方がなっておらんな」
老人が呆れたように言う。
「まぁいいじゃろ
わしの名前はロア アルデンじゃルイの祖父じゃ」
「へぇー
全く似てねぇな」
「何を言う!よく見てみろそっくりじゃろがい!
この緑の瞳とかそっくりじゃろがい!」
「瞳の色しか似てねぇじゃねぇか!」
「うるさい!わしも昔はルイのような綺麗な金髪だったんじゃ!としを取ってから白髪になったんじゃ!」
「うるせぇ!過去にすがってんじゃねぇよクソじじいが!」
俺とジジイが睨み合っていたらルイが止めに入って来た。
「もう!リュウマもお爺ちゃんも喧嘩したらダメだよ!」
「同じ髪の色同士仲良くしなきゃダメじゃない。」
「え?
俺の髪、このジジイみたいな髪の色なの?」
「うん!そうだよ!
でも、リュウマの髪は所々にピンク色の髪が混ざってるね!」
どうやら俺はこういう髪の色らしい。
やはり自分の姿を見る事が出来るものがないと不便だな。こんな事を改めて思っているとジジイが俺にさっきの事を問いただしてきた
「おい、リュウマお前、本当に何処から来たか思い出せないのか?」
「だから、そう言ってるじゃねぇーか」
「ふむ、お前は自分の名前はわかるのに何処から来たのかがわからんのか....」
「おう!
全くもってわからんな!」
「なんでお前はそう自信を持って答えるんじゃ」
ジジイが若干呆れていた。
「まぁ、軽い記憶喪失じゃろうな、その内自然に思い出すじゃろう。
それより、お前、これからどうするんじゃ?行く当てもなかろう?」
「ああ、全くもってねぇな」
「それなら、わしらの....魔族の村にこんか?」
「魔族?」
俺が知っている魔族は禍々しい羽が生えたり、デッカい角が生えたりしている奴だが、こいつらはそういうふうには、全く見えない。
まぁ、なんでおれが魔族を知っているのかが全くもって謎だけど....
俺はジジイに聞いてみた。
「魔族って角が生えたりしている奴らの事か?」
すると、ジジイは呆れた風に言ってきた
「何を言っとるんじゃお前は?
お前が言っているのは、恐らく魔神族の事じゃろう我々魔族は魔法に特化した種族じゃから魔族なんじゃ、そんな事まで忘れてしまったのか?」
「へぇーそうなのか」
俺は、もう1つ疑問に思っていた事を聞いみる
「ならよ、ジジイがさっき俺の事を神族っていっていたな、じゃあさ、その神族はどういう奴らなんだ?」
すると、ジジイは少しだけ顔を曇らせたが直ぐに話し出した。
「神族は、1000年前の戦争で滅んだ種族なんじゃ
1000年前、神族が魔神族と戦い敗れそして、滅びたんじゃ、まぁ、最初から勝ち目のない戦いだったんじゃがな。」
「勝ち目のない戦いって?」
「質は勝っても、数で負けていたからな、圧倒的に。神族対魔神族と言っても、魔神族側に他の6種族が付いていたんじゃよ神族側には1種族だけ、全くもって勝ち目がなかったんじゃ、しかも、神族は負ける直前に神族側に付いていた種族を戦場から逃がしたんじゃ、そしてそのまま滅びたんじゃよ」
「神族の事と1000年前に起きた戦争の事はよく分かった、でも....ならどうして俺をその滅んだはずの神族だと思ったんだ?」
「目の色じゃよ
その、赤い瞳は神族だけしか持たないんじゃよ、他の種族は、絶対にその瞳を持たない。」
どうやら神族以外の奴らは目が赤色じゃないらしい。
まぁ、俺が何の種族とはどうでもいいけど...
「神族だといけない事があるのか?」
俺はジジイに聞いた。
「ふむ、まぁ良い顔はされないな、と言うか王国の騎士団にバレれば捕まるじゃろうな」
「まじかよ....めんどくさ」
「ふむ、それよりさっきの魔族の村に来るかと言う話に戻すぞ、どうだ来る気はないか?行くところがないのだろう?」
「いや、でも俺神族らしいじゃん?来ても大丈夫なのか?」
「まぁ、他の種族からは来るなと言われるじゃろうがが、魔族からだけは、言われないじゃろうな」
「は?なんでだよ?」
「まだ分からんのか?全く学習能力が低いのう」
「うっせーだまれ!
さっさと教えろ!」
「神族に加担した種族それが、魔族じゃからだ」
続く