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負け神と人生負け犬  作者: 録
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第1話

「起立、礼。さよならー」


黙々と荷物を纏めるとガヤガヤと五月蝿い雑踏を無言で通り過ぎ、人と会話をする事もなく学校を後にする。


一人は辛くない。

一人は辛くない。

むしろ楽しい。


───いや、こんな事考えてる時点で辛いって事なのだろうか。


まぁこうして学校に来れているだけまだマシなんだろう。


俺は大好きな創作活動をして自分の事を忘れる様に、我慢する様にしている。

イジメだって嫌がらせだって俺にとっては物語のネタでしかない。

俺は絶対に屈しない。


殴られようとも落書きされようとも捨てられていようとも全て記憶して全てネタにしてやる。やった奴も全員覚えてるし何時何をされたかも全て覚えて記録して将来裁判起こして人生をへし折ってやるのだ。


俺にとっては全てが物語の一部。


俺は絶対に屈しない。

屈してやらない。


彼女に……彼女に出会うまでは。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ただいま。」


誰も居ない家でもただいまと必ず言う様にしている。


高校に入ると同時に親名義でマンションを借りて一人暮らしを始めた俺は当初こそ寂しさもありただいまと言っていたが、今はここが自分の居場所だ、そう思う為にもこれは欠かさない。小さな意地にも似た感情だ。


部屋着に着替え、飼っているハムちゃんにご飯をあげてから洗濯機を回してる間に食器を洗う。

12月10日の今日は冬真っ盛りで指が切れ落ちてしまいそうな程痛いが、晩御飯の後に洗うのは嫌だ。

嫌な事はさっさと終わらせてしまうに限る。


元々溜め込まない様にしている為5分程で寒さとの格闘を終える。


洗濯が終わるまでまだ時間があるな。風呂……うーん。

先に風呂入って新作のプロットでも考えようか。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「ん……あれ……。」


昨日風呂入って髪を乾かしてそのまま考えたプロットをベッドの上でiPodに入力して……。

ああ、そのまま寝てしまったか。


ジリリリリリリリリリリリ!

「!?」


ぼんやりと天井を眺めていると突然鳴り出す目覚まし時計。

驚いて思いっきり叩くように止めてしまう。


心臓がバクバクと無駄に血液を送りまくるのを感じつつ、はぁっと溜息を吐いて眼鏡をかける。


身体を起こそうと手を付いた瞬間。


何か硬いものに触れた。


「ん───……。」


───それは隣で寝ている見知らぬ……。



見知らぬ……。




見知らぬ美少女、ならぬ。




見知らぬ男であった。


「きゅわぁぁぁああーーーーーっ!?!?」


乙女のようなオタクの様な情けない叫び声を上げながらベッドの限界まで端に寄り、壁にぶつかった。


壁が!何で!?何でぇぇええ!?


気が動転し過ぎて現状を把握出来ずに居ると男が目を覚まし、んんんと唸り声を上げながら身体を伸ばした。


「あっ、おふぁよぅ……。」


緩みきった寝惚けた声で言う男。

しかし男の筋肉質な身体が恐怖しか生まず。

そして。


「なっ、何で……裸……!?」


ふわぁ、とまだ欠伸をする男はガタイの良い身体で何故か気付けば俺の隣で全裸で寝ていた。

全裸で。


「んん?やだー、聞く?」


俺はその瞬間身体を曲げ、思いっきりベッド外へ蹴り出し、男は「ぐへっ」と声を上げながら床に転げる。


「おっ、お前は何だ!俺に何をした!」


全身の止まらぬ鳥肌を感じつつ、布団に包まって必死の抵抗を試みる。


覚えてない。

何もしてないはずだ。

俺にその気はない。

俺は、俺は───


「俺はノンケなんだぞっ!!!」


やばい、涙が出てきた。

言い逃れしようにも状況が絶望的過ぎる。


と言うか誰だよこいつ。

なんでムキムキなんだよ。


「冗談だよ。何もしてないって。何も。」

「うっせぇ!くそっ!もう何言っても何にも言えねぇよ!もう嫌だ畜生!!」


半泣き状態で枕やら目覚まし時計やらiPodやらを投げつける。


「ちょっ、まっ、待ってよ。本当に、何にも無いんだ、って!」


投げられた物を受け止めながらそっと地面に下ろす男。

そういう所も何か腹立つ。


だが投げて少し落ち着くと、数分後やっと話を聞ける状態に戻った。


「何なんだよ、お前。」

「やっと落ち着いた?もう投げない?」


男は顔色を変えず、爽やかな声で聞く。


「あぁ!もう投げないよ!だから答えろ!」


怒声混じりの返答をしたが男はほっと胸を撫で下ろし、溜息を吐いた。


「良かった良かった。間違えたかと思ったけどこの身体で来て正解だったよ。」

「んなわけねぇだろ服着ろ!!」

「あ、ああ、そうだった忘れてた。」


これが世に言う裸族という種族なのか。

人間って恐ろしい。


男は躊躇いもなくパチンと指を鳴らす。


すると俺と全く同じジャージを一瞬で着た。



いや───出現させたと言った方が分かりやすい。

手品か?と咄嗟に思い込んだが、次の言葉がそれを見事に打ち砕いた。



「初めまして、神様です。」



そういって男は屈託のない笑顔を見せた。


初めまして、録です。

一話はどうしてもこの終わり方にしたかったのでBL要素がある様に見えるかもしれませんが、一切ありません。

二話以降主な登場人物で主人公以外の男は登場しません。

※モブキャラでは登場します。


ー以下用語説明ー

【BL】

ボーイズラブの略。男性同士の恋愛。

【ノンケ】

女性が異性として好きな男性。

男性を異性として見ていない男性。

一般的な男性の事を指す。


wikiより抜粋

していませんので作者の主観が入っているかもしれません。御迷惑をお掛けします。

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