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プロローグ
俺は不死の化け物である。
名前は思い出せない。
だから適当にジャックとでも名乗ることにしよう。
俺はいつ生まれたかも思い出せない。
だが、成長という過程を経ずに今の姿になっているということは、おそらく、俺はその時からそこに在ったのだろう。
生まれたのではなく在ったのだ。
人間ではなく化け物として、生を受けたのだ。
「神様よぉ、酷ぇじゃねえか。俺が何をしたって言うんだよ。」
死なないことがわかって漏れた独り言。
別段、特別に想う人間がいたわけじゃない。
とても仲のいい友人がいたわけでもない。
俺は、人の生を笑うべく、そこに在った。