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異世界チキンな人造人間(サイボーグ)  作者: 筈佳 椎名
第一章 始まりの歯車
9/10

第九機 その機械、αにつき

とんでもなく遅くなりました。

恐らく前回までを忘れてる人もいると思うので、

読み返していただくとありがたいです。

まだ八話までしか書けてないからすぐだと思います。


また、タイトルを変更して

「黄金色の機械美」から

「その機械、αにつき」になりました

「黄金色の蚯蚓」と被りましたので……orz

「ぅぅん……んぁ?」


 現在時刻は7:30。外では朝早くから鳥たちがチュンチュンと歌を歌っていた。その中に鳥型のロボもいるのだろうか……

 昨日、あの後。俺とレナはしばらく抱き合ってから、どちらからともなく離れて一緒に帰ってきた。我に帰った後は相当気まずかったので、足早になりすぎてござるを1人置いていくところだった程だ。違うな、1匹か。


 あの後は用意された自室に駆け込みすぐさまベッドにダイブしたのでそれ以降の記憶があまりない。すぐに睡魔は来たが夢の中までレナが出てきたので変な汗をかいてしまった。感触が気持ち悪いのでとりあえずTシャツを脱ぎ捨てる。


「あ……シャツの替えってどこにあるんだろ……レナに聞かないとわかんないな……」


 とりあえず俺はベッドから起き、体と機械部分を拭きながらテーブルの上に置いてある機械のパネルを操作して言った。


「おはようネルメス。突然だけど、レナが今どこにいるかわかる?」

『オハヨウゴザイマス、リュウスケ様。少々オ待チクダサイ……発見シマシタ、レナ御嬢様ハC棟100階ノ「ラボ」で睡眠ヲトラレテイマス』

「何でそんな所で……?」


 人工知能のネルメスが型にはめたような口調で俺に返してきた。もうちょっと感情を表に出してもいいかもしれない。

 ところで、あいつは何で100階のC棟……確か、俺が空から落ちてきた所だっけ?で寝ているんだ?頭の上からハテナが消えない。


「まぁいいや、そこへ行くためのエレベーターなんかって……」

『既ニ手配済ミデゴザイマス』

「あ……そう、か……ありがとう」

『反応ガ悪イノデゴザイマス、リュウスケ様、プンプン!』

「いや、プンプンて……プッ、あはははは!!」

『…………オハズカシイ……』


 なんだ、ロボットでも感情はあるのかも知れないな。俺はそこでそう確信した。



『C棟100階デゴザイマス。足元ニオ気ヲツケ下サイ』

「おう」


 ネルメスの助けを借りてここまで来たが、「ラボ」と呼ばれる部屋の入り口はずいぶんと素っ気ないものだった。

 思わず病院の手術室みたいなゴツゴツの入り口かと思えば、白いドアの上に『Cラボ』と書かれているだけだった。鍵は………かかっていない。

 レナは寝ているようなのでゆっくりとドアを開け中に入る。


「失礼しますっと………うわっ」

『ピガガ……ガビピッ……ガガガ!』


 中が意外と広々としていてその中心、ポツンと存在するテーブルでレナが寝ているのにも驚いたが、もっと驚いたのはその隣でガピピとかいってる機械の方だった。

 それは人の形をしていて、形状からして女の子のようだった。近寄って見たが、お腹が開いて回路が剥き出しなところ以外どこからどう見ても人間である。腕をさわってみたが質感も人間そのもの。お腹の蓋を閉じれば最早ロボットには見えないくらいのリアリティー。


 露出度の高いメイド服のようなものを着用し、サラサラの金髪に整った顔立ち。レナ程ではないが胸の膨らみもそれなりにあり、見たところかなりの美少女である。


 ところが、ロボットメイドに俺が見とれている間にレナが起きてしまったようで、


「ん……うわ!?誰この変態!!」

「アギャ!!」


 テーブルの上に置いてあったモンキーレンチが俺の頭に直撃し、しばらくの間俺はまた眠りに落ちた。


        △▼△▼△▼△


「本っ当にゴメン!いきなりだったからつい……ていうかなんで上が裸なの!?服着なよ!」

「ごもっともです」


 殴られたことを怒ろうと思ったが、その原因は俺にあったので何も言い返せなくなってしまった。

 正直すごく後頭部が痛いが、俺はとりあえず一番聞きたいことについてレナに問うてみる。


「そういえばレナ、これは?」


 そういって俺はロボットメイドを指さす。


「あ、これは、その……昨日むしゃくしゃして作った!!」

「ロボットってそんな簡単にできるのか……?」


 一晩でこれを作るとは、そろそろレナも人間じゃ無くなってきた気がする。

 しかしそう一度は言ったレナだったが、少しすると意味ありげな顔持ちになり、レナは俺を見上げた。


「……ていうのはただの建前で。本当は、私がついてあげられない時も、危なっかしいリュウには誰かがついてあげないといけないかな、と思ってさ」


 その言葉を口にするレナの笑顔は、どこか儚げで。

 その笑顔を向けられた俺のことを、安堵と共に胸を締め付けるような罪悪感が襲う。

 昨日のことを、忘れることはないだろう。

 二度とレナのことは泣かせない。その意味を込めての抱擁(ほうよう)だった筈だ。

 改めてこの時、レナの優しさに心が暖かくなった。

 ならば今は俺が出来ることをしよう。

今のポンコツな俺に出来ることは、レナを悲しませない事だ。


「ありがとう。優しいんだな、レナは」

「えっ、いやそんな……アハハ……」


 とりあえず、今一番言いたい言葉は伝えた。

 頬を紅潮させ一人モジモジするレナに、俺は元の話題をふる。


「このメイドさんは、どうやって動くんだ?」

「ん?ああ、この子はこのチップの力で動くんだ!命令すれば大抵のことはできると思うよ?」

「相変わらずすごいなお前は……」

「名前は…………どうしようか……全然決めてない」

「まあ女の子らしい名前にしてやれよ。ベータとかガンマとかは本人も嫌だろうし」

「ベータ、ガンマ……そうだ!アルファちゃんにしよう!」


レナはロボッドメイドに、アルファと命名した。ベータやガンマよりは可愛いし、科学ぽくってとても良いと思う。

 先程のチップを、レナはアルファの腹部にいれて蓋をした。

 すかさず振り替えって俺の方を向き、何故かもう一枚の白いチップを差し出す。


「はい。じゃあリュウ、このチップを自分の手の甲にかざして。常時発動可能なやつだし、何よりリュウがいないとアルファちゃんが動けなくなっちゃうから」

「え、それってどういう……?」

「まあまあ。とにかくかざしてよ。アルファちゃんが動くところみたいでしょ?」

「まあ、見たくないと言ったら嘘になるか」


 俺は言われた通りにチップを手にかざした。

 それから一息遅れて、かざしたチップとアルファの腹部が同時に光りだす。ガピピとかいう駆動音が止むと同時に、彼女は目を開いた。

 そしてメイドにしか言えないような強烈な言葉を一言。



『………お帰りなさいまセ、ご主人サマ』



次も不定期。

本当にすみません。早く投稿出来るよう頑張ります……

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