僕が………魔法使いに!?
~天界の北の湖にて~
シュレイナがクロードに飛び掛りクロードはすでに湖に手を入れていた。しかしシュレイナをもう片方の手で制しながらだったのでほとんど手探りである。
「ちょっと待てってシュレイナもう少しなんだ!」
「そんなモン知るかぁ!よくもシュレイナ様を………ただじゃおかないんだから!」
そんな時にクロードの手が何かを掴んだ。
「お、こいつは!」
そしてその手を勢い良く引っ張ると………
ザッパ~ン!!!
湖から一人の男の子が引き上げられた。
そしてその男の子を見ると。
「「………誰?」」
2人の声が重なった。
~悟の視点~
僕はいつの間にか真っ白な空間を何かに引っ張られていた。
(何だよこれ!?)
そして眩しい光が見えてくる。何処へ繋がっているんだろう?
………目を開けるとそこには、ずっと草原が広がっていてすぐ後ろには湖があった。そして目の前には見知らぬ男女がいた。2人とも全身を包むローブを着ている。女性の方は紅く背中には金の十字架の模様で男性の方は蒼く同じく背中に金の十字架、歳は2人とも18くらいだろうか。
そして女性の方が男性の方に話し始めた
「さ~てクロード。あたしの質問に正確に答えてね」
「あ、あぁ」
クロードと呼ばれる男性は汗を流しながら答える。
「では質問その1。あたしたちが連れてくるべき子の名前は?」
「佐藤 龍一だ」
龍一!?何で龍一の名前が出てきたんだ?この人たちは一体……。
「そうね、じゃあ質問その2。この少年の名前は?」
僕のことだろうか?男性がこちらを覗き込むように見ると……
「荒川 悟だな」
「!!!!!」
何で!?僕の名前が……この人は僕の何を見たって言うんだ。
「そうね、じゃあ最後の質問ね。一度天界に連れて来られた子供はどうなるの?」
「そうだな……一度連れてきたら変更はできねぇな。勿論、人間界へ返す事も……」
天界?人間界?この人たちは何を言っているんだ。帰ることができない?そんな……僕はついさっきまで学校に居たのに何でこんな所に
「あ、あの~」
僕は恐る恐る声をかけてみる。
「ん?何よ」
女性の方が振り向いた。
「ここは一体何処なんですか?僕はさっきまで学校に居たのに」
できることなら今すぐ帰りたい……すると女性の方がため息をついた。
「はぁ~ゴメンね。そこにいる『馬鹿!』が間違って君を連れてきちゃったのよね~。
あ、あたしの名前はシュレイナでこいつはクロード」
シュレイナと名乗る女性はクロードという人を何度も蹴っていた。
「さっきも言ったけど君にはある事をしてもらうまで人間界には帰れないから」
「……ある事って?」
「そうね、まずこの世界の名はファリッサ。ここで年に一度行われる魔法使いの闘いってのがあるの。あなたみたいな人間界の子供達がウィザードって言う魔法使いになって闘ってもらうわ」
僕が………魔法使いに!?
シュレイナやクロードの外見の詳細はプロローグで紹介しているのでここでは省かせていただきました。忘れてしまった方は、お手数ですがプロローグをもう一度見てください!次回からは闘いのルール説明が入るのでセリフばかりになるかもしれません(汗)感想待ってます!!