………悟が頭の中から消えてていた。
湖に映っている子供が振り返りクロードもその顔を見た。
「ふ~ん……まぁ別に普通なんじゃないか?どうなんだシュレイナ」
クロードがシュレイナに問いかけるとシュレイナはボーっとしていた。
「………え!?……そ、そうね……い、いいんじゃない?」
シュレイナはやけにあわてていた。
(なによ!結構いい感じの子じゃない。あの子に決定ね!)
「え~っと、佐藤 龍一かぁそんじゃあこいつでいいんだな?」
「他にどの子がいるって言うのよ!早くしなさい!湖に手を入れたらそのまま人間界に通じてるからそのまま掴んで引き上げればいいのよ!」
「とは言ってもなぁ、周りに人間が多すぎるんだよ。もう少し待ってからでいいだろ?」
しかしシュレイナは両手を上げグーにして騒いでいる。
「ダメよ!今すぐに連れてきなさ~い!!」
その瞬間シュレイナの体の周りにロープが現れシュレイナの体に巻きついた。
「ちょっと、何すんのよ!?」
そのロープはクロードの出したものだった。
「悪いなシュレイナ、ちょっとそこでおとなしくしといてくれ。…さてと、じっくり待つとするか。あんまり時間も無いから早く一人になってくれよ?」
クロードが湖に映る龍一に言ってみる。当然、龍一には聞こえてはいない。そのころシュレイナは。
(……よし、後はこのナイフでロープを切れば……後で覚えときなさいよ~)
一人黙々と袖口から出したナイフでロープを切っていた。そしてしばらくすると龍一の周りから人が少なくなる。
「よ~し、そろそろいいだろう、よっと」
クロードが湖に手を入れた。……と、同時にシュレイナのロープも切り終えた。
「おりゃ~!クロード、覚悟!!」
シュレイナがクロードに飛び掛ろうとした。
「げ!?おい、ちょっと待てよ!」
~場面変わり人間界の悟たちの学校~
僕らはHRのチャイムが鳴ったので各自の教室へ戻り、担任の話を聞いていた。
「明日の持ち物は……と……と……です!忘れ物をしないように。それでは今日はこれで終わりです各自これから自由行動です。部活の見学をしてみるのもいいでしょう。解散です!」
担任の先生が号令を告げると生徒達は各自帰り支度をした。
(龍一は部活の見学するのかな)
僕は龍一のクラスに行ってみたがそこには龍一はいなかった。
「どこいったんだろ?」
とりあえず靴を履き替えて校舎の外に出てみる。また他の生徒に囲まれてるのかな。
「ぉ~い!さ~と~る~!」
遠くから龍一の声がした。振り返ると龍一が走ってこっちへ向かって来ていた。
「あ!龍一~!」
次の瞬間、制服の襟首を掴まれた感じがした。
「………え?」
そして周りの生徒達の動きが止まり。辺りの風景が灰色一色になった。
(何だこれ!?僕以外がみんな止まってる……何かに後ろから掴まれてる)
首だけ後ろに動かして見ると、そこには何も無い空間から手が出てきて僕の襟を掴んでいた。次の瞬間すごい勢いで引っ張られて目の前の風景が真っ白い空間に変わった。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
そして悟は人間界から消え、何事も無かったかのように時間が再び動き出した。一方龍一は、
「え~っと………誰を見つけたんだっけ?あれ?思い出せない………」
………悟が頭の中から消えてていた。
何の手違いか、悟が連れて行かれてしまいました。でもこれでいいんです。残念ながら龍一の出番はここで終わりになってしまいました。ごめんなさい。
物語はプロローグからになります。感想待ってます!!