加勢しに来たで!
「なんだよ、あいつもうやられたのか~?」
そう言ったのは僕と同じくらいの背丈の子供だった。
「ま~あんまりノリ気じゃなかったけど、面白そうだから俺っちも参加しちゃおうかな」
男の子は軽いノリで僕の前までやってきた。
「君、結構やるじゃん!次は俺っちが相手だよ!」
「あ、よろしく」
「あはっ敵に向かって挨拶なんてやっぱオモシロ………『土突』!」
男の子が地面に手を着き呪文を唱えた。何が来るんだ?すると地面が突然盛り上がって尖った岩が出てきた。
「うわっと!」
ぎりぎりのところで避けると今度は後ろからも岩が飛び出した。
「ぐわっ!」
今度は食らってしまった。僕は突き上げられ高く舞い上がって地面に叩きつけられた、魔服のおかげでダメージは少なかったけどちょっと痛い。
「やっぱこの魔法おもしれ~!」
男の子は楽しんでいた。この子さっきの男よりも強いかも……。
「さ~てどんどん行くよ!『土突』!」
僕の周りから次々に岩が現れた、それを何度も避けているとあることに気付いた。
(あ、囲まれてる)
そう、徐々に居場所が無くなり気付けば僕の四方八方を岩が囲んでいて身動きが取れなかった。けど……。
「クレウス!」
そんな岩もクレウスで穴を開けた。
「やるね~やっぱ君は水と雷使いの二つか」
何でそう決め付けられるんだ?
「だってさ、俺っちの魔法は『地』、破壊するなら相性のいい風属性の魔法を使うべきだけど……君の使ったのは水属性の魔法だ。雷じゃ相性は悪いし、ってことは君の属性は必然的に『水』と『雷』ってことになる」
さっきの状況であそこまで。
「属性が分かったとしても、それなら僕は水の魔法で戦うよ……クレウス!」
僕はクレウスを放った、が、相手はそこから避けようとしなかった。
「ん~何か君勘違いしてない?俺っちの属性は『地』だけって言ったかな?」
それってまさか!
「スフェイル!」
僕のクレウスは相手の出したスフェイルで弾かれた。
「俺っちは……『雷』も使うんだよ」
どっちも僕の属性と相性が悪い、魔力では僕の方があると思うけど相性が悪かったら……どうしたら。
「ぼ~っとしてる余裕あんの?『雷槍』!」
相手の手から雷の槍が飛んできた。それも一本じゃない十本以上も。
「スフェイル!」
僕はスフェイルで対抗するけど……連続で発射される槍に反撃できない。
「正面ばっか守ってても下ががら空きだよ、ドリゴマ!」
スフェイルでガードしている僕の下からまた岩の飛び出した。しまった!僕は攻撃をまともにくらい、吹っ飛んだ……強い。
「やっぱ期待はずれかな~んじゃあこれで終わりにしよう」
僕が起き上がると男の子は呪文を唱えていた。
「大いなる地の下部よ『汝』その姿を俺っちに従う地人に変えよ。現れろ!グレア・ゴーレム!」
まさか!あれって上級呪文?
すると闘技場にひびが入り地面から唸り声を上げて何かが出てきた。
「うおぉぉぉぉ!」
これって岩の巨人?現れたのは見上げるほど大きな岩の巨人だった。
「グレア!お前の力であいつを潰しちまえ!」
「うおぉぉぉぉ!」
ゴーレムが太い腕を振り上げ僕に襲い掛かってきた。僕はとっさにスフェイルを出したけど……。
バアァァァン!
ゴーレムの拳に砕かれてしまった。やばい!と、思って目をつぶると……。
「おりゃあぁぁ!」
葵さんが刀でゴーレムの腕を切り下とした。
「葵さん!」
「大丈夫か?悟、加勢しに来たで!」
悟君が始めて押されてます、ここで葵の登場!カッコイイですね~。他の属性の呪文を考えるのは結構簡単に思いつくんですが地属性は結構難しいです(汗)次回はいよいよ悟&葵の戦いです。感想まってます!!