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勝てるよ、きっと

葵さんが僕に謝った?何でだろ?



「何で謝るんですか?葵さん」



そこへシュレイナが来て。



「やっと気付いたのね、自分のことしか考えてない奴が、タッグ戦なんて出来るわけ無いじゃない、悟はね、自分が本気を出したら葵まで巻き込んでしまうんじゃないか?ってそのことばかり考えて戦ってたのよ、仲間を一番に気遣ってね」



「ホンマか?ウチ、シュレイナさんに挑発されて、何が何でも認めてもらうんやって必死やった、その結果がこれか……自分でも恥ずかしいわ」



シュレイナの言葉に葵さんが反省してる、本当はこの人も…優しい人なんだ。ただ戦いで自分を認めてほしかっただけなんだ。



「ウチ、やっぱ二回戦は出ぇへんことにするわ、ウチがおっても足手まといにしかならんやろ、それなら悟君が全力で戦ってくれた方がええわ」



葵さん、そこまで、でも僕は……。



「一緒に……戦ってください」



「え?」



僕の言葉に葵さんは呆気に取られていた。



「な、何でや?自分、さっきまでのウチの話、聞いてたんか?」



「はい、でも僕は葵さんと一緒に戦ってほしいんです、さっき僕はクロードに油断しすぎだって言われて最初の攻撃に対処できませんでした、でも葵さんは常に全力で、油断なんてなかった、だから僕がそういう状況になったときに葵さんが居てくれたほうがいいんです」



正直な気持ちだった、確かに僕は油断はするし、すぐに相手に気を遣うし、弱点だらけだ。だから葵さんに。



「でも…ウチは…」



「俺もその方がいいと思うぞ、悟に出来ないところを葵がフォローしてやればいいんだその逆もな」



「クロードさん……ウチ、一緒に戦ってええんか?」



「いいんじゃない?あなたの剣術ならおじいちゃんの城の兵にも引けをとらないわ、ちょっと単調すぎるけどね」



シュレイナの言葉に葵さんの顔に明るさが戻ってくる。



「それやったら……」



葵さんが振り返り僕に手を差し出した。



「改めて……よろしゅうな、悟君」



「はい!」



僕も差し出された手を握り返した。



「さて、じゃあ修行を再開しましょうか!引き続き模擬戦をするわよ」



「え?でも」



葵さんは戸惑っていたが。



「もう葵は、自分がやるべき事は分かってるでしょ?」



シュレイナの言葉に……。



「……はい!」



元気よく返事を返し、そして僕らは模擬戦を再開した。



~次の日~



「いい?相手は地獄人じゃないけど油断するんじゃないわよ?」



僕とシュレイナと葵さんは大きな門の前にいた。この先が二回戦の決戦場だ。他のみんなはもう会場の中の客席にいた。門の向こうからは沢山の人の歓声が聞える。



「分かってますって!シュレイナさん!ちゃ~んと勝ってきます」



葵さんはいつもの陽気な葵さんだった。この調子が一番この人らしいかな、いつも通りだ。



「葵さん」



「ん、何や?」



僕は葵さんに手を差し出した。



「おぅ!しっかり勝って来るでっ」



その言葉にもう迷いは無く、パンッとその手にハイタッチを返した。



「それじゃあ、行きましょうか」



シュレイナと僕らは三人で門を開いた。目の前に広がったのは周りを壁で丸く囲まれた闘技場のようなものだった。そして向こうの門からは対戦相手の五人とパートナーの代表がいた。どれも強そうな人たちだ。



、自分今どんな気分や?ちょっとでも負けそうと思うか?」



葵さんは笑いながら僕にそんな質問を投げかけた。



「確かに強そうには見えるけど……勝てるよ、きっと」



その言葉は本心だった。



「そうか、ウチもや!ほんならいっちょ派手に行くか!」



そして僕の…僕らの戦いの二回戦が始まった。

葵との距離が少し縮んだようなきがする回だったと思います。さて次回はいよいよ悟と葵の戦いです!思えば悟がまともに戦うのは44話めにしてこれが始めてなんじゃないかと思います。感想待ってます!!

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