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やっぱり葵さんだった

その日から僕はその夢を見なくなった。少し安心したけど不安でもあった。この鍵の事をシュレイナに言おうか、いや、言ったらまた心配させてしまう。今は僕の中だけに留めて置こう。



そして僕らの修行はよりハードになり残りの一週間はみんなでの修行になった。修行はハードになったけど苦しくは無かった。みんなが居るから……頑張れる。修行はシュレイナとクロードを中心に行っての僕らの連携での戦いだった。



けど修行が終わる二時間くらい前になるとシュレイナはいつもどこかに行って、修行が終わる頃にまた戻ってくる。そんな日が続いた三日目の夜、二回戦が開始する二日前の事だった。



「ただいま~、みんな、今日も修行お疲れ様!明日は総仕上げ……と言いたいとこなんだけど……」



シュレイナが言葉を詰まらせた、どうしたんだろう?



「シュレイナ、この三日間どうしてたの?」



僕がシュレイナに聞くと。



「うん、そのことも踏まえてね、これからみんなに大事なことを言おうと思ってたの」



大事なこと?



「みんな、聞いても驚かないでね……二回戦は………悟一人で戦わせるわ!」



「「「………えええええ!?」」」



みんなが声を揃えて驚いていた、勿論僕も、そしてクロードや他のパートナー達、要するにシュレイナ以外の全員がシュレイナの発言に唖然としていた。その次の第一声を放ったのが。



「どういうことですか、シュレイナさん!?」



葵さんだった、彼女は一番この闘いを楽しみにしていただけに言葉に少し怒りが混じっていた。



「落ち着いて、葵、今からそれを説明するから」



肩をつかまれてもう一度、席に座らされた葵さんはまだ納得がいっていないようだった。



「みんなの気持ちもよく分かるわ、チームの連携戦術がようやくまとまってきたんだもんね、でもまずはあたしの話を聞いて欲しいの」



シュレイナが説明を始めた。それはこの三日間の話だった。



~シュレイナ視点~



「あたしはこの三日間で他のチームの偵察をしていたの、実力を知るためとそして地獄人を探し出すために、そして今日は最後のチームだった」



どのチームも大した事は無いわね、それに地獄人も居なかった。って事はこのチームに地獄人が居るのね。



あたしは森の中からそのチームの宿を見つけて窓の外から覗いた、やっぱりどの子も強そうだったど飛びぬけて強いって子は居なかったわ。



「おかしいわね、地獄人ならそれ相応の強さがあるものなんだけど……」



けどそのとき後ろに気配を感じた。



「覗きはいけませんよねぇ、ロベルト家のお嬢さん」



「誰!?」



後ろを向いたけどそこには誰も居なかった。そしてもう一度前を向くと……その子が居た。確か二番目に偵察したチームの……



「君は……確か前のチームにいた子ね、名前は……」



あたしは天眼でその子の名前を見ようとしたけど見れなかった、何故か頭の上に出るはずの名前が無かった。



「無駄ですよ、僕に名前なんて無いし人間でもありませんから」



まさかっ!



「そう、僕が、地獄人ですよ、シュレイナさん、フフッ」



その子が少し笑うと周りの植物が枯れ始めた、本物だ。



「慌てなくてもいいですよ、今は手は出しませんから」



口ではそう言ってたけど、あたしはその子を見ているだけで寒気がした。



「聞いていいかしら?あなたの種族は何百年も前に滅んだって聞いてたんだけど」



「それはおかしな話ですね、僕の種族は滅んだのではなく……滅ぼされたのですよ?あなた方の種族に」



「……っく」



あたしは何も言い返せなかった、その子が本当のことを言っているから。



「っふ、まぁいいでしょう、いずれはあななたちの種族が滅ぶ番なのですから」



「それは、どういうこと?」



「言葉の通りですよ、その日が来るのをお楽しみに」



その言葉を最後に、その子はその場から消えたわ、そしてあたしは動けなかった。特に何か魔法をかけられたわけじゃないけど……多分数秒だけ、でもあたしにはとても長く感じたわ。



~時は悟たちへ~



「次の戦いの内容はまだ分からないけど……二回戦じゃ終わらないと思うの、だからみんなの戦力を温存するのと、隠すためにみんなには戦わないでほしいってことなんだけど」



みんながシーンとしている中一人だけ肩をプルプル震わせて立ち上がった人がいた。



「ん納得いくかボケェェェェ!」



両手の握りこぶしを突き上げて叫んだ………やっぱり葵さんだった。

シュレイナのシリアスな地獄人の話……からの葵の暴走(笑)やっぱり葵はおもしろいですね、次回も葵が暴走してシュレイナVS葵になります。

感想まってます!!

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