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自分の力で僕は戦う!

「これが、カルマからあたし達がカルマから聞いた話」



シュレイナの話が終わりみんなは少し暗い顔をしていた。無理もないか、いきなり地獄人だなんて言われたら……僕も不安になった。そんな空気の中一人だけが楽しそうに喋りだした。



「ほ~地獄人か。おもろそうやん、一回戦はイマイチぱっとせん奴らばっかやったからなぁ。楽しみが一個増えたわ!みんなどないしてん?そない暗い顔して」



葵さんだけがやっぱり一人だけ飛びぬけていた。どこからそんな自信が出てくるんだろう?カルマって人でも敵わなかったのに、人間の僕らが敵うわけが無い。



「そんなこと言っても、俺だってクロードさんには全く勝てなかったんだ、それなのに天界人の人が勝てない奴に俺達が勝てるはずが無い!」



陸斗の言うとおりだ。多分カルマって人はクロードと同じかそれ以上の強さ。そんな人が勝てなかったんだから僕達なんて。そんな陸斗に向かって葵さんは。



「自分アホヤな~さっきシュレイナさんもい言うてたやん!ウチらは一人ちゃう、みんなでやれば絶対勝てるて!それに一人忘れてへんか?ウチらには悟君がいてるんや!」



と言って僕の肩を叩いた。……僕!?



「期待してるで?ウチらのリーダー」



「僕が……リーダー!?」



そんな、僕がリーダーなんて絶対無理だ。



「ウチの中ではな一番強いのがリーダーやねん。そら実力やったらシュレイナさんとかのが上やと思うけど、ウチら人間の中やったらあんたがリーダーや」



そんな勝手に……僕はシュレイナの方を見た。するとシュレイナは。



「うん、いいんじゃない?みんなも異論は無いでしょ?」



シュレイナがみんなの方をみるとみんなは頷いていた。



「決まりやな!ほなリーダー、みんなに一言なんか言ったってえや」



明らかに無茶ぶりだ。でも……みんなには傷付いては欲しくない、それなら。



「えっと…みんな、僕らが戦う敵はとても強いかも知れない、けどみんなには傷ついて欲しくはないんだ。だから……無理だと思ったら逃げてください。僕もどこまで役に立つかは分からないけどみんなの力に少しでもなりたい!……です」



自分なりには精一杯喋った、それに本当のことだった。そんな僕の頭をシュレイナがはたいた。



「った!シュレイナ?」



「何言ってんのよ、そこは死ぬ気で戦ってきなさいのぐらい言いなさいよ。葵があんたの肩を叩いたときのみんなの顔を見てないの?今も」



みんなの顔?見ると葵さんも、大介さんも、アリシアさんも、陸斗も、もう暗い顔はしていなかった。むしろ僕を見て安心の表情だった。そして陸斗が。



「確かに勝てないかも知れない、けど、逃げるなんて事はしない。悟がやる気になってるなら俺達だってそれに応えたいんだ。みんなはもう決心はついてるよ」



みんなの目をみた。それは諦めた目では無くやる気にあふれている目だった。



「みんな、ありがとう!僕も自分のできる事を精一杯頑張ります!だからみんなも、僕と一緒に戦ってください!」



みんなが大きく頷いた。そしてシュレイナが最後にまとめに入っていた。



「じゃあみんな、地獄人に勝つためにも、この先バリバリ修行していくわよ!みんなで地獄人倒すわよー!」



「「「オォー!」」」



みんながガッツポーズを上げた。僕だって早く力をつけてみんなの役に立つんだ!



そんな中宿の外から窓の中を覗いていた一人の子供が居たが悟たちは気づいていなかった。



『ふ~ん、僕を倒す……ですか。本当におもしろい人たちだ。特に悟君、君にはもっと力をつけてもらいたい。そして君の腕輪もね、必ず僕が開放してあげるよ。フフッ』



その日も僕らは修行の疲れがあり、食事を取ったあとにすぐに眠った。そして、またあの夢が出てきた。暗闇の中に光る二つの目。前に出てきたときはその声は途切れ途切れだったが、今回ははっきり聞えた。



「う~小僧、お前ごときの力で何故わしを封じ込められるのだ」



「な、なぜって」



僕は言葉に困った。こんな大きな何か分からないものを僕だって分からない。



「この忌々しい鎖がお前の力か……」



声の主は少し黙ると驚くことを言い出した。



「小僧、わしの力をお前に貸してやろう。地獄人に勝ちたいのだろう?ならば簡単なことだ、わしの力を解放するのだ、どうだ?悪い話しでは無いだろう?」



「……らない」



「あぁ?」



「そんな力、僕はいらない!」



「!?」



そんなの間違ってる、確かに地獄人には勝ちたい……自分の力で。



「自分の力で僕は戦う!」



(この眼……あの方に……っふ、まさかな)



「よかろう、ならばこれを持っておくがよい」



光るものを投げられ僕はそれを両手でキャッチした。これって鍵?



「わしの力を使いたいときはそれを使え」



僕はそれを足元に放った。



「こんなもの、使わないよ」



「ふっふっふ、しかしお前はその鍵を自分の意思で開けることになるだろう。そのときを待ってるぞ」



そういい残すと闇は消え僕は目を覚ました。外はまだ夜だったけど僕は手に何かを感じ取り月明かりに照らして見た。それは腕輪と同じ色の鍵が手の中にあった。

悟君がどんどん頼もしくなって来ました。作者としてはうれしい限りです。そして悟の腕輪も徐々にその姿を現してきました。次回はシュレイナがとんでもない事を言い出します。一体なんなのか?感想待ってます!!

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