な、友達なんてすぐできんだろ?
体育館へ入り学校別に並べさせられた。僕は龍一の隣へ座り、先生達の話を聞いていると次第に眠くなりウトウトしていると。
「では新入生代表で佐藤 龍一君!前へ出てきてください」
「はい!」
龍一の名前が出てハッと目を覚ました。新入生代表?すごいなぁ龍一は代表にまで選ばれるなんて。
龍一は立ち上がり校長先生らしき人の所まで歩いていく。そこで代表としての挨拶をした。………挨拶が終わると拍手が広がった。勿論僕も思いっきり手を叩いた。
入学式が終わり、1年生校舎へ向かう僕と龍一。そこでクラス分けの張り紙があった。
「クラス………違うね」
「あぁ、残念だったな」
僕は5組、龍一は3組だった。
「俺、荷物置いたら悟のクラスに行くよ!」
歩きながら龍一がそう言ってくれた。
「うん!ありがと!」
そうだ、別に会えない訳じゃないんだ。僕は安心した。そしてお互いのクラスに入り席に着いた。
席に着いたのはいいけど……早速何をすればいいだろう。周りは知らない子ばっかりだ。もう何人かは友達と話をしている。
(……やっぱり出遅れてしまった。どうしたらいいんだろう)
そんな事を考えながらボーっとしていると。
「さ~とる~!」
廊下の方から声が聞こえた。龍一?声はするけど姿が見えてこない。
廊下へ出てみるとすでに何人かの生徒に囲まれながら少しずつ歩を進めてくる龍一の姿があった。
「……龍一!」
龍一がこちらに気付き手を振り返す。そのせいか自然と周りの人が離れる。
「さっそく人気者だね龍一は」
「お前もすぐできるよ、みんないい奴ばっかだし」
「そうかな~?」
そんな会話をしていると、一人の男子が僕に声をかけてきた。
『君、佐藤君の友達?』
「友達って言うか…親友だな!荒川 悟だみんなも仲良くしてくれよな!」
先に龍一が応えた。その言葉にみんなが驚く。
『え~!親友って事は、佐藤君の事とか何でも知ってるの!?」
男子だけではなく女子にも詰め寄られた。こういうのは初めてだ。
「え?まぁ多少は……」
「悟ってなコントロールがすごくいいんだぜ!」
龍一がさらにかぶせてくる。まぁそれはホントの事なんだけどね。
『え~!!マジかよ!?俺、野球部に入るんだけどよかったら一緒に入らないか?』
坊主刈りの男子の顔が近くなる。えっと………
「ぼ、僕は龍一とサッカー部に……」
『そっか~まぁそれじゃあ仕方ないな』
坊主刈りが落胆する。何か悪い事しちゃったなぁ。
『ねぇ小学校の頃って佐藤君、どんなだったの?』
「え、えっと~」
僕はいろんな人に質問攻めに遭い龍一の方に視線を送った。
(な、友達なんてすぐできんだろ?)
龍一が笑いながら僕にそう言っているように思えた。
(うん!ありがとう!龍一)
僕も心の中でそう思った。そしてこの時はまだ知る由も無かった。まさか、あんな事になるなんて。
龍一はひたすらに格好いいです!!それにめっちゃいい奴!このまま悟と龍一の楽しいスクールライフが始まれば良いんですけどね。次回からそうもいかなくなります。感想待ってます!