また今度も役に立てなかった。僕は……
「ようするにその黒いオーラがばれたらダメなんでしょ?だったら自分の魔法で隠せばいいのよ」
「隠すって言うと、例えばどうやって?」
「例えば悟が腕輪を剣に変えた瞬間にクリルザンも出して隠せばいいじゃない、すこし大き目のを出せば十分隠せると思うわ」
そうか、それならばれないかも。しかしその意見にクロードが渋った。
「確かにそれで隠れると思うが、悟の負担が大きすぎないか?」
う~ん、僕も全力で出したのは初めて使ったときだけだったからどれだけの負担があるかはわからないな、でも……
「僕、やってみるよ」
これ以上シュレイナたちの足手まといになりたくない。そんな思いが強かった。
「そうか?じゃあやってみろ」
僕はまた腕輪を剣にしてそれを振ったと同時にいつもよりも大き目のクリルザンをだした。
「クリルザン!」
クリルザンで剣を覆い刃を放つと……
「え?」
刃は青黒くなりさっきよりも更に深く地面をえぐっていった。とたんに僕は目眩をがおき倒れそうになった。
「っと、大丈夫か?悟」
クロードが僕の体を支えてくれた。
「ありがとうクロード、もう大丈夫だよ」
それでも疲れたかな、息が少し切れているのがわかった。そこへシュレイナが。
「ごめん、悟。ちょっと無茶だったかな」
「だな、少し休んだら俺の考えたのを聞いてくれ」
少し休憩してからクロードが話し始めた。
「そもそもそんな馬鹿でかい剣なんかにしなくたってクレウスみたいに小さくすれば見えないだろ?」
そうか、いくらようするに目視できないほどに小さくすればばれない。
「例えば形を普通の天界人サイズのクレウスにしたりとかな」
「それもそうね、じゃあそれで行きましょうか、クロード念のために『土壁』出しといてよ、強度は最上級ね」
それってクロードがゴールの手前でシュレイナと僕を受け止めたって言ってた魔法か、一つの魔法にも種類があるんだ。
「魔法にはね魔力次第で力の大きさは変わるけど、それとは別に性質も変えることができるのよ。それはまた今度ね」
「だから地の魔法はって言っても仕方ないか、魔力が結構消費しちまうな~おっしいくぞ!『土壁・剛!』」
呪文を唱えるとクロードの足元から地面が盛り上がってきて巨大な壁ができた、厚さも結構あるなぁ。
「これに向かって放ちなさい」
「わかった」
僕は腕輪をクレウスの形に想像すると…手、全体が黒く包まれて小さな筒が人差し指にできた。僕はそのまま弾の発射をイメージすると。
「悟……あんた、何やったの?」
「……え?」
目の前にはシュレイナの顔そしてあるはずの壁が無かった。
「これ……僕が?」
「悟が倒れたと思ったらいきなり壁が崩れ始めたのよ」
「これはタダの攻撃じゃないな、むしろ消滅に近い」
「消滅?」
「悟、お前その形にしてから弾を発射したのか?」
「うん、イメージだけ」
「イメージだけでこれか、もし実践で使ったら」
とんでもないことになる。ばれるばれないの問題じゃない。消滅なんて……
「そうね、その腕輪はもう使わないほうがいいかもね。おじいちゃんには素直に言った方がよさそう」
「二回戦は魔法だけってこと?」
「そうなるな、でも安心しろ。それだけでもお前は十分に戦えるよ」
クロードが励ましてくれたけど……僕はすっきりしなかった。また今度も役に立てなかった。僕は……
悟君はなかなか活躍できませんね、主人公なのに……早く悟君がかっこよくに戦うところを書きたいです!もうちょっとの辛抱ですね。
感想まってます!!