この二人おもしろいなぁ
クロードが説明をはじめた。
「その腕輪は身に付けた奴の思ったとおりのものに変わるんだ。例えば『剣になれ』と思えば剣になるし『盾になれ』と思ったら盾になるって分けだ。さらにその力は付けた者の魔力に比例して力が増す」
へ~さすが神器ってだけあって凄いや
「あんたよくそんな事知ってたわね」
「ガキの頃に読んだ神器にまつわる古い蔵書に書いてあったんだ。オルセス様以外にもその腕輪を使えたものが大昔にいたらしい」
「へ~じゃあ早速外で試して見ましょうか」
そして僕らは外へ出て一面草原の所へ行きそれぞれの武器を使ってみた。
「じゃあ悟、何か思ってみて。武器なら何でもいいわ」
「わかった」
僕は深呼吸して、まずは剣を想像してみた。すると腕輪が黒く光左腕を光が包み込み徐々に形を変えていき剣の形になった。よく見ると腕輪から剣が生えているものでその剣もやっぱり真っ黒だった。それに何故か重さは感じられなかった。
「すげ~」
陸斗が思わず口にする。僕自身も声にならないほどその剣に見とれていた。僕はとりあえず縦に振ってみたすると剣からオーラのようなものが出て鋭い刃の形となり一直線に進んでいき遠くの方で消えた。
「何よ……これ」
その刃が通った後には地面が深くえぐられていた。そこに障害物があったら跡形もなかっただろう。
「す、すごい。めっちゃすごいやん、自分!これやったら誰が相手でも圧勝やな。期待してんでぇ」
葵さんのテンションが急激に上がっていた。背中をバシバシ叩かれて少し痛い。
「悟だっかっけ?最初は小さくて弱そうな奴だと思ってたけど、見直したぞ!」
大介さんも力のある声で言ってくれた。
「悟、二回戦は頑張ろうな!」
みんながいろんな言葉で励ましてくれる中アリシアさんだけが浮かない顔をしていた。
「どうしたの?アリシアちゃん」
シュレイナがアリシアさんに声をかけた。
「はい、私にはその……その腕輪が恐ろしく見えます」
確かに、全ての邪悪なものをこの腕輪に封じたって言うし、あまり安心はできないかな。
「大丈夫よアリシアちゃん、心配しなくても悟は腕輪に支配なんかされないわ」
事情を知らない葵さんと大介さんにはクロードが一連の話をしていた。
「そういう事だったのか。でもそれをコントロールできる悟の魔力って」
「せやな、グロッツ様かて使えへん腕輪やのに、悟君の魔力ってどれほどなん?」
「250だ」
クロードがさらっと答えると二人はそのままかたまってしまった。やっぱり他の人はもっと低いんだ。
「え~っと……大介ぇ自分、魔力って見てもろたか?」
葵さんが大介さんにかたまったままの表情で聞くと。
「あぁ確かこの世界に入ってから見てもらったが、90だった。人間にしては結構高いって言われて浮かれてたが……ガクッ」
その場で手と膝を地面につけて挫折していた。ズ~ンと言う効果音が聞えたような気がした。
「そうか、ウチも一緒や85って言われて同じく人間界では高い方やって言われたんやけども…なぁ」
そして葵さんも同じ形になった。この二人おもしろいなぁ。そこへシュレイナが。
「大丈夫よ二人とも。確かに人間界での人間の魔力の上限は100よ、でも天界では上限がないの。だから訓練次第ではいくらでも上げられるのよ、だから顔上げなさい」
「ホンマにか!?シュレイナさん!よっしゃ、そうと決まれば早速修行や!行くで~!」
と言ってパートナーを連れて全速力で遠くの方に行ってしまった。
「相変わらずね、あの子も……よしっそれなら皆も分かれてしましょうか。自分の魔法と武器を組み合わせての修行ね。ある程度距離をとってやった方がいいわ。一旦解散!」
シュレイナの号令でそれぞれがパートナーと一緒に分かれて修行することになった。そして僕はと言うとシュレイナ、クロードと共にこの腕輪と魔法をどう組み合わせるかを考えていた。
「とにかく、おじいちゃんには悟の腕輪の事は黙っておいた方が良さそうね、ばれるといろいろと面倒だし」
「それもそうだな、でも腕輪の力使ったら一発でばれるだろ?」
「ばれたらやっぱり、まずいのかなぁ?僕は正直に言ったほうが言いと思うんだけど」
「ダメよ、それでもし今回の戦いが中止になったら台無しじゃない」
それはそうだけど。何でシュレイナはこんなにも……毎年優勝してるからやっぱりプライドがあるのかな。僕は他にも考えたけど答えが見つからなかったので諦めた。
「じゃあ、あたしの考えを聞いて頂戴!」
シュレイナが一つの提案をした。
やっぱり悟君はすごいですね、それに挫折する葵と大介の姿を想像したり個性的なキャラ、特に葵の全力マイペースなところが書いてておもしろいです。関西弁が間違ってたらすいません。感想待ってます!!