やっぱり誰かに似てると思ったら
僕らが部屋に入った時には初めに入った二人は武器を選んでいる最中だった。
「お~ホンマにあったわ日本刀!カッコエエワ~……どりゃ!」
そう言って葵さんは刀を剣道の竹刀のように振っていた、意外と軽々と振ってる。本物の刀って結構重たいって聞いてたけど……僕はためしに樽に挿してある刀を一本取ってみた。
「っお、重い」
やっぱり重たいや、なのに葵さんは……と彼女を見ていると視線に気づいたのかこっちに来た。
「なんや?自分も刀にするんか?あかんあかん。もう持ち方からして初心者丸出しやんか。使い方間違うたら自分が怪我するで」
「……そうですうよね。う~ん僕に合う武器って」
「ウチもなぁ刀ってのはええんやけど……こんなめっちゃあったら選べへんわ~自分もちょっと探してくれへん?」
「あ、はい」
僕は言われるがままに樽の中の刀を何本か取り出してみた。うぅやっぱり重いや。そこへシュレイナがやってきた。
「どお~?自分に合う武器は見つかった?悟、何してんの?」
「えっと、僕は……」
僕がシュレイナに話そうとする前に葵さんに先をこされた。
「あ、シュレイナさん!ウチ、どの刀にすればええか迷うてるんですっ何かシュレイナさんのお勧めってありますやろか?」
「そ、そうね…」
やっぱりシュレイナはたじろいていた。それでも自分の考えを主張した。
「天界にあるほとんどの武器は自分の魔力を武器に溜めて使うものなの。あなたの属性は確か火だったわね、だったら~」
シュレイナは樽の中にある刀を探りやがて一本の
「これなんていいんじゃない?『炎刀灼刃』この刀は使用者の魔力の入れ方次第では金属さえも焼き切ることのできる刀よ」
それを受け取った葵さんの目は輝いていた。その刀とシュレイナを交互に見て。
「おおき…いや、ありがとうございます!シュレイナさんに選んでいただけるなんてっウチこの刀に決めました!」
ずいずいシュレイナに近寄ってお礼を言っていた。それに対して相変わらず微妙な顔のシュレイナは。
「そ、そう。よかったわね」
苦笑いを浮かべながら少しずつ離れていった。葵さんが刀を抜き刀身を眺めながらうっとりしている頃大介さんはと言うと。
「なあ、シュ、シュレイナさん……」
言いづらそうにシュレイナに自分の選んだ武器を持って来た。
「俺の属性は風と地なんスけど、この武器は合ってますか?」
と、差し出してきたのは黒い金属製の棒と鉄球を鎖でつないだハンマーのようなものだった。
「えっとこれかぁ。ねえクロード!あんたの知り合いでこれ使ってる人居なかったっけ?」
近くで談笑していたクロードがこちらに気づいてやってきた。
「あぁこれか。大介だっけ?これはまさにお前にぴったりの武器かもしれんな」
その言葉を聞いて大介さんは驚きの表情だった。
「え!?そうなんですか?一体どんな武器なんすか?」
クロードはニヤっと笑い
「それは後で外で使ってからのお楽しみだ。とにかくお前にはその武器がいいだろう、体格にもあってるしな」
大介さんの背中をポンと叩いて着いてきなと宿の外に出て行った。
「はい!」
大介さんもその後を追っていった。みんな自分にあってる武器を見つけている。ん~僕に合う武器ってなんだろう。
「え?私はこれですか?」
「そうよ、アリシアにはこれがいいわ」
「でも……」
見るとアリシアさんがカネアさんと弓矢を選んでいた。それも西洋風で色も赤色の派手な装飾が着いたものでおとなしそうなアリシアさんにはちょっと違和感があった。
「アリシアには遠距離の方が向いてるわよ。それがいいと思うわ」
「カネアさんが言うなら」
と、しぶしぶ承諾したようだ。残りは僕と織田君だけか。
「俺は……これかなぁ」
織田君が手にしたのは両手にはめられるタイプの短剣だった。残りは僕だけかぁ。そこへ織田君が来た
「悟はどうするんだ?」
「あ、織田君…」
「織田君だなんて、同い年なんだから陸斗でいいよ」
「うん。り、陸斗、自分に合った武器がなかなか見つからなくて」
「それなら、今は簡単に選んでそれから使いこなせるようになればいいじゃんか」
「そういうのでいいのかなぁ」
「とりあえず合う合わないは別にして、自分がいいなと思う武器を使ってみればいいと俺は思うぞ。俺も力はある方じゃないけど足には自信があるんだ!だから小さい武器にしてみたんだ。悟もそういう選び方にすればいいんじゃねえか?」
「へ~凄いなぁ陸斗は」
陸斗の説明に僕は正直に感心した。あ、やっぱり誰かに似てると思ったら『龍一』だ。
「おい悟。あれなんだろ?」
陸斗が指を差している方を見るとそこには。
「これって……腕輪?」
真っ黒な腕輪があった。
主人公なのに悟のセリフがやたら少ないことに気づき始めました。悟自身の性格もあるんでしょうが…やっぱり私の力不足です(泣)さて悟君が出会った腕輪。一体どんなものなのでしょうか?感想待ってます!!