あれ?何かおかしい
「まだなのかよ、あいつら」
残り時間が三分を切っておりさすがのクロードも焦り始めていた。そんなとき、
「……っと、どいて~!!!」
目の前の森からシュレイナが飛び出してきた。しかも猛スピードで
「うわあぁぁぁ!っち、しゃあねえな。地の魔法はあまり得意じゃないんだが……」
クロードは地面に手を付き呪文を唱えた。
『土壁・柔!』
するとクロードの目の前に地面から土が盛り上がり身の丈ほどの壁ができた。その壁は文字通り柔らかくなっておりシュレイナを怪我無く受け止める。
「ふぅ~助かったわ、クロード」
「助かったじゃねぇよシュレイナ!、いきなり突っ込んで来やがって」
よく見るとシュレイナの背中に白い翼が見えたがすぐに消えてしまった。
「シュレイナ、まさかお前」
「そのまさかよ、やっとあの魔法を使うことができたの。全く制御できなかったけどね」
「それより、魔力はどうしたんだよ、今のお前じゃまだまだ足りないだろ?」
「悟の魔力をちょっと借りたの、ロベルト家秘伝の禁術でね」
(禁術って話には聞いていたが……無茶しやがって)
「とにかく行きましょ、ほらっ悟も起きなさい!」
シュレイナに担がれたまま悟が目を覚ました。
「ん、う~ん……シュレイナ、ここって」
「着いたわよ、ゴール地点に」
「え!?ホントに?本当に着いたんだ!あれ?アリシアさんは?」
「俺が持ってた日の石を渡して先に行ってもらったよ。万が一ってこともあるしな」
「はぁ!?あんたね、あたしたちが間に合わなかったら先に行きなさいって言ったでしょ!何で渡してんのよっ?」
「まぁ間に合ったんだからいいじゃねぇか。悟もあの子を助けたかったんだろ?」
「うん、ありがとうクロード」
「ったく、みんなバカばっかり!さあ悟も降りなさい。今度こそ、みんなで扉を開くのよ」
「うん」
そして悟たちは目の前の扉を開き中へ入っていった。そして悟たちがいなくなった場所にまたあの黒い煙が現れ少年の姿になった。
『彼らはいったい何をしているんだろう。あんなの助けなければすぐに自分たちがゴールできたの言うのに……まだまだ天界人や人間にはわからないことばかりだ。それよりも悟君、君は僕の予想を遥かに超えてくれた人間だよ。早く彼と話がしてみたいな』
そう言ってまた煙のように消えてしまった。
~悟の視点へ~
扉を開けると、そこは闘技場のような広場だった。そこには三人一組でのチームが………僕らを合わせて4チーム居た……あれ?何かおかしい。シュレイナもそれに気づいたようで僕に話しかけた。
「気づいた?参加したのは120チーム普通に行けば40チームが残るはずなんだけど……異常に少ないわね」
「きっと誰かが三つ集めた後に妨害でもしたんだろ?よくある事だ」
「それはあたしも考えたんだけど、それをしたとしても少なすぎるのよ、皆がみな妨害したとは考えにくいし」
「な~んか今回は怪しいな、この中に必要以上に敵を倒していったやつがいるってことだ」
この中にそんな人が……一体。
ちょっといつもより短くなってしまったような気がしますね。他にアイディアが浮かばなかったです(汗)次回は少しだけ時間を戻して久しぶりに登場のグロッツ様のからです。
感想まってます!!