それが僕の世界が変わった日の始まりだった
僕の名前は荒川 悟。今日から中学1年生になる普通の男子だ。
「おっす!悟、何だ?元気ねぇじゃん、俺ら今日から中学生だぜ?」
僕の肩を後ろから叩いて声をかけてきたのは、小5からの親友、佐藤 龍一だ。龍一とは小5の時に同じクラスで初日に隣の席になり仲良くなった。6年生の時は別のクラスになったけど、登下校は龍一と歩いている。他にも友達はいるけど、やっぱり龍一が一番仲がいい。
「ふぁ~朝から元気だね龍一。僕、不安で緊張して眠れなかったんだ」
実を言えば僕は龍一が友達になるまで小学校の頃は一人でいる事が多かった。友達を作るのが苦手だったんだ。それができるようになったのも龍一のおかげだけど、やっぱり中学に入ると知らない人がいっぱいいる。不安が捨て切れなかった。
「もっと喜べよ悟!やっと俺ら中学生になったんだ!楽しい事がいっぱいあるじゃねぇか!部活に勉強体育祭に修学旅行に文化祭。小学校じゃどれもショボかったけど中学では全然違うんだ。それに俺は将来は偉~い弁護士になるんだ!」
そうだ龍一が初めて会ったときから言っていた言葉だ。やっぱりすごいなぁ龍一には夢があって。
「なれるよ龍一なら。なんたって君は小学校の頃から、成績優秀・スポーツ万能で……おまけに女子にはモテるし」
「そうだっけ?」
どれに疑問を抱いたのかは分からないがどれも間違ってはいないはずだ。テストの時にはほとんど満点だったし、マラソン大会の時には毎回1位。友達になる前から龍一は有名で僕も少し憧れていた。バレンタインの日には引出しや、ランドセル、靴箱の中にまで一杯になっていて本人は迷惑がっていたけど一部の複数の男子からは羨望と妬みの眼差しが記憶に残っている。
「僕なんて得意なことと言えばコントロールの良さくらいかな……」
「確かに悟ってコントロールだけは一番だったよな」
そう、僕が一つだけ得意としていること。それは物を投げるときのコントロールの良さだ。これだけは誰にも負けない自信があった。それがきっかけでリトルの少年野球チームに一時期は入っていたが、体力がもたず、すぐにやめてしまった。
「悟は野球部には入らないのか?俺はサッカー部に入ってみようと思うんだ!野球が嫌なら一緒にサッカー部に入らねぇか?」
「う~ん……龍一と一緒ならいいかな。何か野球部って厳しそうなイメージあるし、サッカーもやってみたいかも」
龍一となら頑張れるかもしれない。僕は心の中でそう思った。
そしてしばらくその場で喋っていると周りの生徒が走り出した。予鈴のチャイムが鳴ったんだ。
「やっべ!急いで体育館まで急ぐぞ悟!初日から怒られたくないからな」
「うん!」
そして僕と龍一は走り出した。
それが僕の世界が変わった日の始まりだった。
主人公は大抵の事が人並み以下のひ弱な感じですがコントロールが良いっていう部分だけって主人公っぽいですかねぇ?主人公の長所を生かしてだんだん格好よくしていきたいと思います。感想待ってます!