これが本当の魔法使いの戦いなんだ
シュレイナとクロードが僕の前に出て戦闘体勢にはいる。
「な、なんだよあの悟って人間は!あんな力があったなんて」
「安心しなさい、悟はもう戦わないから。ここからはあたしたちが相手をしてやるわ!」
うろたえるバイザンにいつもの強気なシュレイナが前に出た。
「何よ!さっきはちょっと驚いたけど……それでもそれはその子の力。あなたたちだけなら怖くもないわ!」
シェリアが反抗するがその言葉には力がなかった。
「そんじゃあ、さっそいくぞシュレイナ」
「オーケー!」
「いくぞ!」
クロードの合図に四人が一気にその場から消えた。
「え?どこ行ったのシュレイナ!」
「すきあり!」
後ろから声がした。振り向くとバイザンが僕の後ろで右手を振り上げて魔法を放とうとしていた。
「ちょ、ちょっと待って!!」
「お前はこっちだよ!」
すると少し離れたところからクロードが右手から火の玉を出してバイザンにぶつけようとした。が間一髪でバイザンは避けてそしてまた二人とも消えた。
「悟!あんた突っ立ってたら巻き添え食らうわよ。こっちきなさい」
シュレイナに腕を掴まれて茂みに放り込まれた。
「あんたはここにいなさい」
「ずいぶんと余裕ね、シュレイナ」
すると木の上からシェリアがシュレイナに向かって水の矢のようなものを何発も打ち込んできた。
「っく!……おりゃ!」
シュレイナの掛け声とともに右手から風のシールドが現れそれをはじいた。二人とも呪文を唱えてないのに魔法をつかった?これが本当の魔法使いの戦いなんだ。
しばらく見とれていると徐々に四人の姿が見えるようになってきた。いや正確にはバイザンとシェリアのスピードが落ちてきていたんだ。
そしてバイザンとシェリアが背中合わせになり姿を現した。
「っくそ!このままじゃやばい!」
「ここは逃げた方が……」
そういっているうちにシュレイナが空中に現れて
「スキあり!『水錠』!」
両手から出した水を細く伸ばし二人に投げつけた。
「「しまった!」」
すると水は二人に巻きついて拘束した。
「あとは頼んだわよ、クロード」
「あぁ、『炎輪』!」
クロードの手から炎の車輪が現れ徐々に大きくなっていく。
「避けろ!シュレイナ!」
「わかってるわよ!悟、こっち」
シュレイナに引っぱられ更にその場から離れる。
「いっけー!!」
クロードの投げた炎の車輪は二人に直撃し小さな爆発が起こった。爆炎が消えるとそこには倒れている二人がいる。まさか……シュレイナが二人に近づくとバイザンが顔を上げた。よかった死んでない。
「さぁ、火の石を出しなさい」
シュレイナが手を差し出す。
「……ちくしょう。………ほらよ持ってけ!」
バイザンが箱を投げ渡す。シュレイナがそれを受け取ると。
「よしっ!勝利!!」
そこへクロードが降りてくる。
「さぁぼさっとしてねぇで次ぎ行こうぜ!」
「何、あんたが仕切ってんのよ!あたしがリーダーでしょ?」
「リーダーとかいつ決めたんだよ?」
「たった今よ!」
「……ま、いっか。行こうぜ悟」
「う、うん!」
やっぱり凄いや、二人とも。
ちゃんとした戦いを書くのは初めてだったのですがどうでしたか?どうしても自分のイメージしている戦いと読者の方のイメージが違ってくると思うのですが、想像が難しい方はド○ゴン○ールのレベルの高い肉弾戦に魔法が加わったものだと思ってください。衝撃波だけ見えるようなあれです……長くなってしまいましたが次回は悟君の修行に入ります。感想待ってます!!