絶対約束する!
次の日、一回戦『火の石争奪戦』が始まる1時間前。
「それじゃあ最後の確認よ。あたし達が教えた十個の魔法をそれぞれ出してみて。魔力は最小限でね、
まずは水の第一魔法よ」
「わかった」
いくら初級魔法でも僕が使うと全ての魔法の規模が上がってしまう。だから今は最小限だ。
「水砲!」
そう叫ぶと僕の右手を出てきた水が包み込み小さな大砲の形になった。そこからバスケットボールくらいの水の玉が発射され遠くにある木を破壊した。
ちなみにシュレイナや他の魔法使い達のクレウスは手全体ではなく指一本を包み、そこからビー玉くらいの水の玉を発射するらしいが僕は最小限の魔力でこれだった。一体全力を出すとどうなるんだろう。
「相変わらず悟のクレウスは別格ね~。初めて使ったときは魔力半分であれだったけど、今は最小限なんでしょ?特訓の成果って奴ね!」
シュレイナが遠くにある粉々の木を眺めながら関心している。
「じゃあ次は雷の第一魔法だ。そうだなぁ、あそこにある岩でいいだろう。狙ってみな」
僕は200メートルくらい先の小さな岩(遠くにあるから小さく見えるだけだけど)に狙いを定めた。これくらいなら簡単に狙える。
「よし、雷矢!」
呪文を唱え2秒くらいすると遠くにある岩が砕け散った。スパレドは指先から雷の粒をだして相手に向かって打つ呪文だが今回も同じく他の魔法使いが使うスパレドはもっと遅い。クロードに見せてもらったが十分に目で追える速さだった。さらに岩が砕けるのではなくヒビが入る程度の威力しかない。
「スパレドは不意打ちに使う奴がほとんどだが、悟の速さなら直接相手に向けても使えるな。しかも悟のコントロールなら遠くの相手でも外す事は無い」
今回はこのスパレドを主に使っていくらしい。人数が多い分一人一人相手にしていたらすぐに時間切れになってしまう。ここで僕のコントロールが一番に試される所だ。
「次!水の第二魔法」
「うん」
後の8つは後の闘いでのネタバレ防止のため書くため省きます。
「OK。この十個の魔法があれば万が一でも一回戦で負けることは無いわね。でもくれぐれも力はセーブしなさいよ?あんただって自分の手で人の人生を終わらせたくはないでしょ?」
遠まわしには言ってるがこれは僕が誤って力を出しすぎたらその人を………考えたくも無い。絶対に力をセーブすることは忘れちゃダメだ。
「わかった。絶対約束する!」
「よしっ!一回戦まで後10分くらいだからスタート地点へ行きましょうか」
そして10分後、ついに一回戦が始まる花火が上がった。目の前には大きな壁がドームのようにありてっぺんからは木々が見えている。ここは大きな森らしい。そして僕らはちょうど人が通れるくらいの穴が開いたところにいた、ここが僕らのスタート地点らしい。
花火に見とれているとクロードが僕の耳に囁いた。
「悟…構えろ」
「え!?」
僕はその意味がよく理解できなかった。構えろって一体………暫くすると僕もようやくその意味が分かった。僕らはすでに敵に囲まれていた。
悟が使うクレウスの形はぶっちゃけて言うとドラ〇〇んの〇気砲みたいな形です。そしてシュレイナたちのはそれのピストル版です。(笑)そこから水の玉が発射されるものだと思っていてください。悟君の活躍はまだまだ続きます!
感想待ってます!!