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俺にブサイクと言われたら学年一位の美少女がなぜか懐いてきた  作者: 雪方ハヤ


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第一話 ブサイクじゃん(嘘)

 正直、学年一位のかわいい子って、あんま普通の子と変わらなくね?

 そもそも学年一位というほどの美女なんて知らないし、クラス一位ですらこの俺――泉千里(いずみちさと)で決めたことがない。

 しょせんは人を見た目で判断する悪質な遊びだと思う。この人かわいいから、付き合うならこの人、的な感じ。


「おはよう、白井」


「おっはー、泉」


 高校の日課は友達と挨拶から。彼は白井くんで、高校に入って勉強のライバルになりそうだから、てきとーに声をかけたら気づいたら友達になっていた。


「ねえねえ、泉……昨日の男子グループチャット見た?」


「どうしたの? 俺あんまスマホいじんないよね」


「泉はガリ勉だな……まだ高一なのに。まあまあ、簡単にいうと『だれが学年一位の美少女か』って討論をしてたの」


 白井はスマホを取り出し、そのチャットの内容を俺に見せた。


「まあ、ガリ勉の泉は気にならないか。じゃあ、俺は次の時間の準備するわ」


「ちょ、教えてよ……聞いたところで損することないし!! 学年一位っていうなら気になるかもね!?」


「泉はいつもクラスでうろうろして、他のクラスの子のことなんて知らないじゃん」


「いいから名前だけ!」


 俺の猛烈なアタックのせいか、白井くんはうっと声を漏らす。


「わかったよ……たしか、最上咲良もがみさくらって人なの。勉強も得意らしいよ。まあガリ勉のおまえほどではないと思うけど」


 俺達がこうやって雑談していると、教室のドアから小柄の姿がふわっと俺の目に映る。


「あっ、あの子だよ。いつもこの時間に四組の友達としゃべってる子」


「へー」


 振り向くと、その子は俺らのクラスの女子達と話していた。今まで気にしてなかったし、顔はかすかな印象しかなかった。


 アニメの世界にありそうなツインテールに、透明な肌がかがやいている。自然としたやさしい笑い方に、優雅な口調を振る舞って、たしかにこういう人と友達になりたいかも。


 もし俺が告白されて……どうしてもって言うならオッケーするかな。


「おいおい泉。あいつを狙うつもりか? それはやめた方がいい」


「えっ、なんでよ」


「最上さんは彼氏いないらしいけど、告白されたら結構、塩対応されるって噂にながれてた」


「べつに狙ってねえし気にすんな」


 白井が俺を見つめる目に怪しさが増す。でも彼はそんなに気にしてないようで、授業の準備に行った。


「…………?」


 最上さんの雑談が一区切りがついたようだ。彼女は俺の視線を感じ、顔を俺のほうに向く。


 ちょっと気まずい……俺も授業の準備でもしておくか。


「ねえ君。断るの気まずいから先に言っておくよ。彼女が欲しいなら、あの子がいいよ、彼氏募集中だって」


 と、目の前の女子は他の人に指をさした。よく見れば話題に出てた学年一位の最上さん。


 いや、今の顔はかわいさがなく、ただ俺ににらんでいる。突然のことに頭の思考が遅れる俺は「はあ?」と声が漏れた。


「あれ? 私、勘違いしちゃったかな? まあ言いづらいもんね。仕方ないから、君の最もかわいいお友達になってあげるよ!」


 なにを言っているんだ、こいつは。

 それに俺と対話しているときは声を下げている。彼女自身の友達に聞かれたくないのか。


「君が、最上さん?」


「ええ、そうよ」


 傲慢だな、最上さん。それにからかってくるし、だんだん心の拍動が加速する。


 俺は一歩、彼女に近づける。最上さんの体が凍る。


「ちょ、ちょっと君! 近づかないでよ」


 俺との身長差が頭二つ分くらいある女の子に、俺はこう言い返してやった。


「君、ブサイクじゃね」

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