花を待つ
勉強机の上に植物がほしい。
のっているのはテキストやノート、筆記具ばかりで変わり映えしない光景だったから。
そう思った私は最初は普通の小さな鉢を買おうとおもった。
けれど結局用意したのは、ペットボトルだ。
飲み終わったペットボトルを切ったり、小さな穴をあけたりして、工作。
土を入れて、種を植えた。
これまでずっと受験勉強ばかりだったから、すこし気分が軽くなった。
シャーペンを動かすこと以外で、手を動かしたのがなんだか新鮮。
机の上のいい場所を探してセッティング。
日当たりも風通しもいい、特等席。
毎日、とある日が近づいてくるのがプレッシャーで、先のことを考えるのがいやになっていたけど。
いまは少しだけ、たのしみだ。
早く育たないかな。
スポイトで土をしめらせながら、きれいな花が顔をのぞかせるその日を待ち遠しく思った。