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41話 目指せクエストクリア4

遅くなってすみません……

 ことりさんにリッチが4体もいると言われ、私は耳を疑った。

 だって4体だよ!?

 1体でもかなり厄介なスキルを持っていて強かったのが4体はかなりきついよ。


 それに、昨日あれだけ頑張って探しても1体すら見つからなかったのに今日は同時に4体って、昨日の今日で遭遇確率がおかしくなったの?


「ほかりん、リッチたちどうやって倒すの? 奥の方過ぎるかは私の攻撃当たらないよ?」


「私とことりさんで前にいる2体のリッチを倒すから、涼っちは後ろから来るスケルトンを抑えてて! ヤバくなったら倒してもいいから!」


 私とことりさんの方はリッチたちがいるところまでに行くために、どうしてもスケルトンを倒さないといけない。

 でも、倒せば倒すほどリッチのスキルは強くなってしまう。

 だから、涼っちの方はスケルトンをできるだけ倒さずに抑えていてもらいたいってことだ。


「りょーかいっ!」


 涼っちは返事をするとスケルトンたちの方に影を伸ばして動きを抑え始めた。

 影操作があるから思ったよりも余裕そうだ。



 涼っちの方を見るのはこれくらいにしていて……


「ことりさん、私たちの方も始めるよ!」


「はいっ!」


 私はすぐに【アイテムポーチ】から【ボーンロッド】を取り出して、スケルトンたちに魔法を放つ。



「はっ!」


 ことりさんは魔法で凍らせて、動きが鈍くなったスケルトンたちを【キングアックス】でどんどん倒していく。

 余裕そうなことりさんの表情を見るとわざわざ凍らせる必要ないんじゃないかなと思うけど、それは気にしないでおこう……


 私が凍らせたから余裕なんだ……

 そう、私が凍らせたから……


 そんなことを自分に言い聞かせながら、私は次から次へと押し寄せてくるスケルトンたちにどんどん魔法を放っていく。


「ことねさん? そんなに魔法を連発すると魔力切れになってしまいますよ?」


 ことりさんは心配そうな顔でそう聞いてきた。


「やっぱりそう思う? でも大丈夫だよー! なんてったって私には【ソウルイーター】があるからね!」


「なるほど! なら私は一旦倒すのをやめておきますね!」


 ことりさんはそう言うと、私がスケルトンを倒す邪魔をしないように私の後ろに移動した。

 さすがことりさんだ。

 私の考えがよく分かっているね!


「いくよっ!」


 私は【アイテムポーチ】から取り出した【ソウルイーター】を構えて、3体のスケルトンの背後に回る。

 背後に回る理由は【ソウルイーター】に背後からの攻撃でダメージが上がるという効果があるからだ。


「はぁっ!!」


 横に並んでことりさんの方に向かう3体のスケルトンの頭を狙って【ソウルイーター】を横に振るう。


「ええっっ!!?」


 予想外のことが起きてしまい、私は思わず声をあげてしまった。

 スケルトンが固くて切れなかったとかではない。

 その逆だ。

【ソウルイーター】のあまりの切れ味の良さに驚いてしまったのだ。


【紫毒の短剣】では細くて他の部分よりも脆い首くらいしか切れなかったスケルトンが【ソウルイーター】だと豆腐みたいにスパスパと切れてしまった。

 切った音もせず、目を瞑っていたら切ったことにすら気づかないと思う。

 それくらい簡単に切れたよ。


「あれ? 体がさっきよりもちょっと軽い気がする。どうして――――あっ、そういえば魔力を回復できるんだった!」


 切れ味の良さに驚きすぎて【ソウルイーター】の能力であるHPと魔力の回復のことを忘れてしまうところだった。


 魔力の回復を別のもので例えるなら、喉が渇いている時にお茶を飲んだ感じ、かなぁ。

 これ以上いい例えが思い浮かばないや。

 ごめんね。


「よーし、もっともっと倒していくよー! とりゃあっ!」


 私は次々と現れるスケルトンをどんどん倒していく。

 スケルトンの中にはスケルトンホースやゴールデンスケルトンなども混ざっていたけど【ソウルイーター】の前では普通のスケルトンとほとんど変わらなかった。

 スケルトンホースは形が違うだけで固さは変わらないし、ゴールデンスケルトンは普通のより固いけど、【ソウルイーター】の切れ味なら問題なく切り裂けた。




 それから、ことりさんと交代しながら倒し続けること数分。

 残っているのは2体のリッチだけになった。

 けど、リッチだけになったからといって安心できるわけじゃない。

 むしろここからが本当の戦いだよ。


「私が倒してくるからことりさんはここで待ってて!」


「気をつけてください……!」


 私はリッチたちにスキルを使われる前に倒すために全速力で近づき、背後に回った。

 もちろんリッチたちは私に気づいてはいない。


「まずは一体っ!」


 私は黒いローブの上からリッチを真っ二つに切り裂く。

 切り裂かれたリッチは左右に別れ、魔石に変わった。


 そして、私は休むことなく2体目に切りかかった。


 ――カキンッッ!!


「うそっ!?」


 確実にリッチに直撃したと思った攻撃は、リッチが持っている鎌に弾かれ、私の【ソウルイーター】は後ろに飛んでいってしまった。


「1体目を倒したから攻撃をしてくる位置がバレたんだ!」


「ケケケッ!!」


 リッチが甲高い悲鳴のような声を発して、【ソウルイーター】を構えた。

 そして、【ソウルイーター】の先端から黒いモヤが――


「そうはさせませんっ!!」


「ケケッ!!?」


 次の瞬間、リッチは巨大な斧によって粉々に砕かれた。


「待っててって言われたのに、すみません……」


 助けてくれたことりさんがなぜか謝っているというこの状況…………


「助かったよことりさん! ありがとっ!」


 私がお礼を言うとことりさんの顔がパッと明るくなった。

 ことりさんの表情はコロコロと変わってちょっと面白い。

 そしてかわいい。


「ふー、スキルを使われる前になんとか倒せたね!」


「そうですね! スキルを使われたら色々とめんどくさいですし、良かったです!」


 色々とめんどくさいって絶対私と涼っちのことだ……


「あっ、それと今倒したリッチからこれがドロップしましたよ!」


「おー、リッチの着てたローブだ!」


「あとこれもです! どうぞ!」


 私はことりさんからローブと魔石を受け取り【アイテムポーチ】に仕舞った。


「あとは涼っちの方だね!」


「大丈夫とは思いますが、一応急いで向かいましょう!」


 私たちは走って涼っちのところに向かった。

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