23話 埋めよう
「2人ともみてみてみて!!!『呪いについて詳しいので会って話しませんか?』だって!」
涼っちはそう言いながら嬉しそうにはしゃいでいる。
「どう? ことりさん」
「えっとですね……呪いについて詳しいという部分は嘘です。この人はただ会って話したいだけみたいですね……」
ことりさんは残念そうな顔をした。
「やっぱりそんなことだろうと思ったよ……」
「ねー、こいつに会って埋めてきていい?」
「気持ちは分かりますが、さすがにそれはだめですよ……!」
冗談なのは分かるけど、涼っちの声のトーンがガチっぽくてこわい。
かなり怒っている様子だ。
私はネットはそういうものだと割り切っているから、涼っちみたいに怒ったりはしない。
まあ、ちょっとはイライラしているけど……
「………………私もう寝る。2人ともおやすみ……」
涼っちはスマホを放り投げて、リビングを出ていった。
それを私がキャッチ。テーブルの上にでも置いておこう。
「涼花さん、大丈夫でしょうか?」
「明日の朝にはいつも通りになってると思うから気にしないでいいよ!」
たぶんだけど……
「それなら、良かったです……!」
ことりさんもホッとしているし、そう言ってよかったと思う。
「私はもう少し調べようと思ってるけど、ことりさんはどうする? もう寝る?」
「私ももう少し調べますよ! 涼花さんの分も2人で頑張りましょう!」
「ありがと! でも、眠たくなったらちゃんと寝るんだよ!」
「分かってますよ!」
それから、私たちは夜中の2時までアイスを食べながら調べ続けた。
だけど、それといった成果はなく、疲れてそのままリビングで寝てしまった。
★
翌朝、リビングに来た涼っちに起こされた。
涼っちは5時起きだから、睡眠時間はたったの3時間だよ。
「もう少し寝かせてよ!」って言いたくなる。
「2人ともおっはよー!」
「おはよう。痛たたた…………」
椅子に座って寝たせいで体中が痛い。
めんどくさいなと思ってベッドまで移動しなかった昨日の自分を殴りたい。
「おはようございます」
「ことりさんは体痛くないの?」
「痛くないですよ?」
ことりさんは「逆にどうして痛いんですか?」と聞きたそうな顔をしている。
「その……2人とも昨日はごめんね。怒って寝ちゃって……」
「私もかなりムカついたし、しょうがないよ……」
「そうですよ! 今度一緒に埋めに行きましょう!」
励ましているつもりなんだろうけど、なんか違う。
ここは普通に「気にしてませんよ!」とかでいいと思う。
それから、涼っちが作ってくれた朝ご飯を食べて、ダンジョンに行く準備を始めた。
ちなみに今日は土曜日だから3人で行くよ。
「準備できたー。ほかりんたちはまだ?」
「私は準備できてますよ!」
「私は今服着替えたところ」
「早くしろー!!」
涼っちに怒られちゃったよ。
というか2人とも早すぎない?
まだ食べ終わってから5分しか経ってないんだけど……?
だいたい朝6時からダンジョンに行くこと自体間違ってる気がする……とか言っても無駄なんだろうなぁ……
「はい、準備できたよ」
「ほかりん遅すぎ! もう6時半だよ!」
「ごめんよ! ってことで気を取り直してしゅっぱーつ!」
「逃げるなー!! ことりんも早く追うよ!」
「お二人とも朝から元気ですね!」
私は玄関の扉を勢いよく開けて家から飛び出してそのまま走って逃げてやった。
怒られそうでめんどくさかったんだもん!
★
隠密があるんだから、わざわざ逃げる必要なんてなかったことにダンジョンに到着してから気づいた。
「ほかりん? もう着いてるよね?」
涼っちが念話で何か言ってるけど、ここはスルー。
「へぇー、無視するんだぁー? 家に帰ってきた時が楽しみだなー」
「人の家を自分の家のように言わないでよ!」
「あ、やっぱりいた! 人を待たせて、さらに逃げるなんてことをした人が!」
あ、思わずツッコンでしまった。
「ごめんなさい、私が悪かったです……」
涼っちなら「反省しているし、許してあげよう」って、言ってくれるはず!
「罰として今日も一緒にお風呂に入りなさい!」
「それだけは絶対やだ!」
「なら許さないってことで、ことりんと2人でダンジョン行ってくるねー!」
涼っちはそう言ってことりさんの手を引っ張ってダンジョンに入ろうとした。
「待って! 分かった、一緒に入るから!」
「言質取ったからね!」
「はぁ……もうどうにでもなれ…………」
私はそう呟きながら、2人と一緒にダンジョンに入っていった。
物語が進まない……
なんでだろう……………………




