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14話 魔法の威力

 ゴブリンダンジョンに到着した私たちは、そのままダンジョンの中に入っていった。


 今は3階層を歩いてゴブリン(実験台)を探している真っ最中だ。

 1階層や2階層で探してもいいんだけど、ゴブリンの数が極端に少ないから効率が悪くてやってられない。

 だから猛スピードで3階層まで降りてきた。


 ちなみに3階層以降の出現率は体感同じくらいだよ。

 変わるところは5階層からはゴブリン以外も出現するってことぐらいかな。

 まあ今の私たちからすればどれが出てきても同じうなものだけどね。



「ことねさん、ゴブリンが出てきましたよ!」


 ことりさんの指さす先にゴブリンが1体いて、すぐにこっちに気づいた。


 ダンジョンの中だと、他の人にことりさんの髪を見られる心配がないから手を繋がないようにしている。

 もちろん難易度が高いダンジョンに行く時は繋ぐようにしているけど、ゴブリンダンジョンくらいの難易度だとそこまでする必要はない。


「ギギャー!!」


 こっちに気づいたゴブリンたちが変な声を発しながら近づいてきた。


「まずは私がやるね!」


「分かりました」


 ことりさんに近づいてくるゴブリンに向けて私はゴブリンナイトの魔石をはめた【ボーンロッド】を構える。


「フリージングスピアッ!!」


 初級氷属性魔法って言うのはダサいけど、何も言わないのも変な気がするという理由で考えた技名を言いながら魔法を使う。

 杖の先端に冷気が集まって作られた10cmより少し小さいくらいの氷の槍がゴブリンに向かって飛んでいく。


 何もいないところから飛んでくる氷の槍に対して反応が遅れたゴブリンは避けることができず、氷の槍はゴブリンの腹を貫いた。


「うわぁ……痛そう……」


 そして、腹に穴が空いたゴブリンはその場で倒れて魔石に変わった。


「一撃でしたね!」


「昨日試した時はこんなに威力なかったと思うんだけどなぁ……」


 ゴブリンキングの魔石は別として、昨日使った魔石よりも強いモンスターの魔石を使っているけど、貫通するほど威力が上がるとは思えない。


「フリージングスピア!」


 試しに壁に向けて使ってみたけど、やっぱり少し傷がつく程度の威力しかなかった。

 魔石を替えたからというわけではなさそうだね。

 なら他に可能性があるとすれば……


「ステータスが関係しているとか?」


「ステータス、ですか?」


「モンスターには効いて、壁とか冷蔵庫とかには傷がつく程度の威力しかないってなるとそれ以外考えられないよ」


 身体能力が高くてもレベルが低かったらモンスターとかにあんまりダメージを与えられないのと同じような理由だと思う。

 私の予想だから絶対とは言えないけどね。


「何回も試していけばそのうちわかると思うし、そろそろ出発しよっか」


「そうですね! どんどんゴブリンを倒していきましょう!」






 ★






 私たちはステータスと魔法の威力が関係しているのか確かめるために5階層に移動した。

 移動した理由はゴブリンダンジョンで唯一魔法を使ってくるゴブリンシャーマン(実験台2号)に遭遇するためだ。


 5階層に移動してから少し歩いてゴブリンシャーマンを見つけた私たちは横にいた邪魔なハイゴブリン2体をフリージングスピアとアクアショットで瞬殺した。


 アクアショットはことりさんが使う初級水属性魔法の技名で私が考えたよ。

 ことりさんにはなぜか笑われたけどね……


 仲間を倒されたゴブリンシャーマンは怒ったらしく、叫びながらことりさんに向けてファイヤーボールを撃ってきた。


「今です!」


 ことりさんの合図に合わせて私はことりさんの前に移動してファイヤーボールをわざと食う。


「熱っ!!」


 普通に熱かった。

 だけど、HPはほとんど減ってないし、我慢できない程の熱さも言うわけでもない。

 といことはやっぱり私の予想はあってたみたいだ。

 魔法で作られた火の玉だから、防御力によってダメージが下げられた。

 だから我慢できたし、HPもほとんど減らなかった

 普通の火の玉だったら今頃こんがりだよ!


 私の身を犠牲にしてステータスと魔法の威力が関係していることは分かった。


「それじゃあ次にいこう。まかせたよことりさん!」


「任されました!」


 今度はことりさんの出番だ。

 私のように攻撃を食らったりするわけでもないし、難しいことをするわけでもないけどね。


 ただ魔法を使うだけ。

 でも使う魔石はスライムの魔石だ。

 スライムの魔石の属性は水属性でことりさんの魔法も水属性。

 前見た情報によると魔石と魔法の属性が同じだと、威力が上がるのに加えて、疲れにくくもなるらしい。


「いきますね! アクアショット!!」


 ことりさんの持つ杖の先からさっきのよりも一回り大きい水の玉が飛んでいき、飛んでいった水の玉はゴブリンシャーマンの顔に直撃して魔石に変わった。


「さっきよりも少し大きかったね! 疲れとかはあったりする?」


 さっきまではゴブリンの魔石を使っていたから威力は確実に上がっている。

 だけど、疲れにくくなっているかは本人しか分からない。


「うーん、さっきまでもそこまで疲れてなかったので…………その、なんか、ごめんさい……!」


「謝ることじゃないよ! 使っていればそのうち分かると思うし、少しづつ頑張っていこっ!」


「分かりました……頑張ってみますね!」


 この後、何十回も使ってやっと疲れ始めてきたからやっぱり同じ属性だったら疲れにくくなるらしい。


 途中、ことりさんに頼んで、魔法で作ってもらった水を飲んでみたけど、やっぱり不味くて死にかけた。


「でも私は絶対に魔法でアイスかかき氷を作ってみせるよ!!」


「ことねさん? さっきから1人で何言ってるんでしょうか?」


 心の声が漏れちゃってた……?

 そもそも念話って心の声だっけ……? あれ?


「ううん、気にしなくていいよ…………」

杖は持ってるから隠密の効果範囲だけど、作られる氷とかは触れてないから範囲外です!

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