11話 初めての魔法
「今度こそ魔法を試していくよー!」
私はあらかじめ魔石をはめておいた【ボーンロッド】を【アイテムポーチ】から取り出す。
最初ということで、魔石はスライムの魔石を使うことにした。
ちなみにスライムの魔石の属性は水属性だよ。
「準備おっけー! あとはスキルを使うだけだよ!」
ことりさんに当たったら危ないのでことりさんには部屋の隅に避難してもらった。
部屋の隅でちょこんと座っていてかわいい。
これが美少女の力だよ……!
私は杖を両手で握って前に突き出す。
「いくよっ! 初級氷属性魔法!」
私の掛け声に合わせて、杖の先端に冷気が集まっていくのが分かる。
そして冷気が集まると親指サイズの氷の槍が作られ、勢いよく放たれた。
放たれた氷の槍は一直線に飛んでいき、前にある冷蔵庫にぶつかって床に落ちた。
ぶつかった冷蔵庫には傷一つついていない。
「成功したみたいだけど、威力がしょぼすぎるよ……」
この威力だったら手で投げた方がまだマシだと思う。
落ちている氷の槍を拾って試しに冷蔵庫に投げてみるとぶつかった氷の槍は粉々になって冷蔵庫には小さな傷がついた。
「やっぱり投げた方が強いよ……」
まあでもスライムの魔石だからしょうがない。
気を取り直して他の魔石も試してみよう!
「次はこれ! コボルトの魔石!」
私はそう言いながら【アイテムポーチ】の奥からコボルトの魔石を取り出す。
コボルトの魔石は土属性だから属性一致による強化とかはないよ。
そして、スライムの魔石とコボルトの魔石を取り替えて準備おっけー!
「いってみよー! 初級氷属性魔法!」
今度もさっきと同じように杖の先端に冷気が集まっていき、氷の槍が飛んでいった。
大きさはさっきよりも一回り大きく、冷蔵庫にちゃんと傷がついた。
それと、さっきと違って疲労感がある。
2回目だからなのか、威力が上がったからなのかは分からないけど、この威力でこの疲労感だと割に合わないよ……
でも落ち込んでいても仕方ないので早く次の魔石を試そう。
「次はゴブリンの魔石……にしようと思っていたけど、疲れて最後まで試せないってことになりそうだからゴブリンキングの魔石にしよう!」
私は慣れた手つきでコボルトの魔石とゴブリンキングの魔石を取り替える。
ちなみにゴブリンの魔石もゴブリンキングの魔石も土属性だ。
でもゴブリンシャーマンだけは火属性だよ。
あいつはファイャーボールを飛ばしてくるからね!
さっきと同じように杖を構えて準備おっけー!
「いっくよー! フリージングスピア!」
ファイャーボールみたいな感じの名前を声に出しながら心の中で初級氷属性魔法と言う。
杖の先端にはさっきよりも冷たい冷気がどんどんと集まっていき、40cmくらいの氷の槍が作られていく。
「これ撃ったら絶対やばいやつだよ!! どうしよどうしよどうしよ!?」
こんな大きさの氷の槍なんか撃ったら冷蔵庫に穴空いちゃうよ!
だけど、これってどうやってキャンセルするの?
さっきからスキル解除ってずっと言ってるけど止まる気配がないよ?
そんなことを考えているうちに氷の槍が完成して杖の先端から放たれた。
私の家の冷蔵庫が……
そう思ったその時。
パリンッ!
放たれた氷の槍が冷蔵庫にぶつかる前に斧で叩かれて砕け散った。
「ふぅ、間に合ってよかったです!」
「ことりん!!!!!」
「涼香さんと同じ呼び方になってますよ! 」
「あ、ほんとだ……びっくりしてつい……」
私がそう言うとことりさんはクスクスと笑った。
ほんとにびっくりしたんだもん!
さっきまで部屋の隅で体育座りしてたのに急に目の前に来て巨大な氷の槍を砕いたんだよ?
どんな身体能力をしてたらあの速度で放たれた氷の槍を砕けるのか私には分からないよ!
何はともあれことりさんのおかげで私の家の冷蔵庫は助かった。
「ありがと! ことり…………」
急に体の力が抜けて倒れてしまった。
「ことねさん?」
貧血みたいな感じで頭がクラクラするよ……
魔法の使いすぎ、のせい…………
「ことねさん? 大丈夫ですか?」
「まほう……つかいすぎた、み……たい…………」
目の前が真っ暗になって何も見えなくなってきた。
気分が悪くて吐きそうだよ……
「とりあえずベッドまで運びますね!」
「ありがと…………」
この後、私はベッドまで運ばれて、そのまま寝てしまった。
私、ことりさんに迷惑かけっぱなしだよぉ……




