9話 疲れたよ……
ことりさんに向かっていくスケルトンたちの首を狙って短剣を振るう。
頭を飛ばしたところで倒せはしないけど、時間稼ぎにはなるはずだ。
あと、道幅が狭いおかげで同時に3体までしか向かって来れないので少しは戦いやすい。
とはいえ数が多すぎる。
奥の方までスケルトンの行列ができているよ。
「ことねさん、金色のスケルトンに気をつけてください!! 多分短剣だと固くて切れないと思います!!」
「分かったよ!」
金色のスケルトンは確か少し奥の方に――あっ、いた!
このペースだともう少しでこっちに来てしまう。
それに倒したスケルトンたちが順番に動き出してきた。
このままだ私が突破されるのも時間の問題だよ。
「ことりさん、そっち側は大丈夫?」
「はい、今のところはなんとか……大丈夫です!」
「私の方に金色のスケルトンが来てるの! 場所入れ替われる?」
「分かりました! いきますよ……!」
「「せーの!」」
掛け声と同時に私たちはくるりと回り、場所を入れ替えた。
「金色のスケルトンは私が粉々にしますね!」
「まかせたよ!」
私たちが念話で会話している間にもスケルトンたちはどんどんやってくる。
だけど、さっきと比べると明らかに数が少ない。
ことりさんが倒してくれたおかげだ。
その証拠に足元に大量の魔石が散らばっている。
「私ももっと頑張らないと……!」
前から迫ってくるスケルトンたちに私はさっきと同じ攻撃を浴びせていく。
スケルトンでもスケルトンホースでも頭さえ切り落とせば数秒は動かなくなるから、できるだけ首を狙いたい。
だけど、スケルトンホースの首は少し高い位置にあって狙いにくいよ。
私はスケルトンホースの前足を切って体制を崩させる。
そして、崩れて頭の位置が下がった時を狙って攻撃する。
「食らえ!!」
スケルトンホースの頭が宙に舞ってからぽとりと砂の上に落ちる。
頭が無くなったスケルトンホースは動かなくなったけど、後ろからまた新しいのが来る。
新しいのを倒している間に倒したのがまた動き出す。
それの繰り返しだよ……
でも、スケルトンたちがことりさんを狙っているおかげでそこまで疲れずに戦えている。
「まだ私は戦えるよ!!」
★
それからどれだけ時間が経ったのかは分からない。
だけど、スケルトンたちの数は確実に減ってきている。
私は頭を砕かないと倒せないものだと思っていたけど、それ以外にも倒す方法があった。
その方法は毒だ。
毒で倒すのは別に難しくもなんとない。
【紫毒の短剣】をたくさん当てるだけだ。
最初の方はスケルトンには毒が効かないものだと思っていた。
だって骨だし、毒で苦しんでいる様子もなかったし。
だけど実際は効いていたみたいで3回くらい頭を飛ばしたあたりから動きが鈍くなり、さらに攻撃を加えていくと魔石に変わった。
「あと1、2、3………………7、8体! ラストスパートだ!」
私はスケルトンたちに突っ込んで次々と頭や腕を切り飛ばしていく。
残っているスケルトンたちはもう3回以上は頭を飛ばしているやつだから最初より動きが鈍くて攻撃を当てやすい。
まあ元々私の攻撃に気づいてないから避けられたりはしないんだけどね。
「私の方は全部倒せました!」
「私もそろそろ終わりそうだよ!」
そう言っていつの間にか毒で残り1体になっていたスケルトンを思いっきり殴る。
殴ったスケルトンは毒で骨が脆くなっていたみたいで粉々になって魔石に変わった。
『レベルが上がりました』
「やっと終わったよぉぉぉ!!!」
「無理だと思っていたけど、全部倒しきれましたね!」
「そうだね。私も倒しきるのは無理だと思ってたけどなんとかなったね! それにしても疲れたよぉ…………」
私は砂の上に寝転んだ。
ふかふかしていて気持ちいい。
寝ちゃいそう。
「ことねさんは少し休んでいてください! 私はその間に魔石を集めてきますね!」
ことりさんはそう言って魔石を拾いに行った。
ことりさんばっかりに働かせて休んでいる私って………
「私も拾いに行かないと!!」
かなり時間がかかったけど、魔石を全部拾い終えた。
魔石の数はなんと112個。
スケルトンが82個でスケルトンホースが27個。
そして金色のスケルトンが3個だ。
短剣とかのドロップアイテムもあったけど、全部ボロボロだったし、そんなに【アイテムポーチ】に入りきらないので諦めて魔石だけを持って帰ることにした。
「おもたい…………」
「私が持ちますよ!?」
「それだとことりさんの手が塞がって、戦えなくなっちゃうから私が持つよ!」
大量の魔石と大量のアイスが入った【アイテムポーチ】はかなり重い。
身体強化のスキルを取っていてほんとによかったと思う。
隠密なんかよりもよっぽど優秀なスキルだよ……
それから罠にかかることもなく進んでいき、ついに10階層に到着した。
「やっとボスですね!」
「たぶんボスよりもモンスタートラップの方が強いと思うよ……」
「でも、気を引き締めていきますよー!」
私たちはゆっくりとボス部屋の扉を開けて中に入った。




