8話 トラップ
進み始めてすぐに階段を見つけた私たちは4階層に移動した。
砂の地面にもだいぶ慣れてきて、進むペースも少し早くなった気がする。
階段がすぐに見つかるかは別だけどね!
「ことねさん、スケルトンが歩いているような音が聞こえてきませんか?」
「ほんとだ、カタカタって音が聞こえるよ」
音のする方に進んでみるとボロボロの剣を持った3体のスケルトンが横に並んで歩いていた。
横に並んでいるから道が塞がっていて通れなくなっているけど、全部倒すから私たちには関係ないね。
「ことりさん、私の分も残してね!」
「はい! 任せてください!」
私が繋いでいる手を離すと、ことりさんはスケルトンたちに向かって走っていき、距離を一気に詰めた。
そして、短剣くらいまで小さくした【キングアックス】を片手で持ち、右端と真ん中にいるスケルトンの頭に振り下ろした。
振り下ろされた頭は粉々に砕け散って、そのまま2体は魔石に変わった。
残った1体のスケルトンはボロボロの剣で反撃していたけど、ことりさんに簡単に避けられていた。
反撃を避けたことりさんは魔石を回収して私の方に戻ってきた。
「約束通り1体残しましたよ!」
「さっすがことりさん! あとは私にまかせて!」
かっこいい感じのセリフを言いながら私は【アイテムポーチ】から昨日買ったばかりの【紫毒の短剣】を取り出す。
毒々しい色をした刃がものすっごくかっこいい!
私はそんなことを思いながら短剣を構え、ことりさんを追ってこっちに向かって来ているスケルトンを迎え撃つ。
「はあっ!」
私の横を通った瞬間にスケルトンの首に短剣を振るう。
切られて宙に舞ったのスケルトンの頭は砂の上に落ちて砂埃が舞った。
「倒した……?」
頭が無くなったスケルトンは動かなくなった。
だけど、魔石に変わるような気配がしない。
まだ生きてるの?
そう思って10秒くらい待ってみると頭が無くなったスケルトンが動き出した。
動き出したスケルトンは砂の上に落ちている自分の頭を拾って首の上にくっつけた。
その後、何事もなかったかのようにことりさんの方に進み始めた。
よく分からないけど、スケルトンって粉々にしないと倒せないのかもしれない。
ことりさんが倒した時は全部粉々になっていたし、その可能性が高そうだね。
「ことりさん、悪いけどそいつも倒してー!」
「わ、分かりました!」
ことりさんは今度は【キングアックス】を1mくらいの大きさに変えて、向かってくるスケルトンを武器もろとも破壊していた。
もうスケルトンは全部ことりさんにまかせた方がいいような気がしてきたよ……
「魔石拾ってきましたよ。はい、どうぞ!」
「ありがと!」
私はことりさんの手から3個の魔石を取って【アイテムポーチ】に入れる。
「次からスケルトンは全部ことりさんに任せるね。私の短剣だと相性が悪いみたいで……ごめんね……」
「大丈夫ですよ! スケルトンは私が全部粉々にしますから!」
ことりさんは得意げな顔をしてそう言った。
私と違ってことりさんは頼りになるよ!
「でも1人で無理そうな時は言ってね! 私も手伝うから」
「はい! 頼りにしていますよ!」
★
それから、順調に進んでもう8階層だ。
階層が上がるに連れてスケルトンの数が増えてきたり、特別なスケルトンが出てきたりしたけど、ことりさん1人で余裕そう。
10体のスケルトンが同時に出てきた時も【キングアックス】で全部粉々にしていたし、スケルトンホースと言う名前をした骨の馬が出てきた時も普通のスケルトンと同じように粉々にしていた。
【キングアックス】が強いっていうのはあるんだろうけど、1mくらいの大きさの物を軽々と振り回すことりさんの身体能力がすごいと思う。
呪いのおかげで身体強化されているとはいえ、普通はあんなもの振り回せないよ。
私なんか身体強化スキルあるのに持ち上げることすらできなかったもん。
涼っちが見ていたら絶対笑われていたと思うからいなくてよかったよ……
「もうちょっとでボスだね!」
「気を抜かないようにしましょうね!」
「そうだね!」
そんな話をしながら私たちは8階層を進んでいた。
――カチッ!
「何今の音!?」
「足元から聞こえてきた気がします」
ことりさんがそう言ったので足元を見てみると砂の中に何かが埋まっていた。
「ボタン……? 隠し部屋があったりして……」
「でも何も起きませんね……」
その瞬間、私たちの前と後ろに大量の魔法陣が現れた。
「さっきボタンってもしかして罠!?」
「スケルトンが大量に出てきましたよ!?」
魔法陣からはスケルトン、スケルトンホース、スケルトンホースに乗ったスケルトン、金色のスケルトンなど色んなスケルトンが出てきた。
罠についてもアプリで調べていたから知っていて、この罠はモンスタートラップと呼ばれるモンスターが大量に出現する罠だ。
少ないときで30体くらい。
多いときは100体くらい出現することもあるらしい。
スケルトンたちが出現したタイミングが悪く、私たちは手を繋いでいなかった。
私は気づかれていないけど、このままだとことりさんが危ない。
「ことねさん、どうしましょう。全部倒すには数が多すぎます!」
「とりあえずことりさんは前から来ているのを倒して道を開いて! 私は後ろから来るやつをどうにかするから!」
私たちは背中合わせで迫り来るスケルトンたちと戦い始めた。




